カテゴリー: ちょっと切ない話

胸が締め付けられるような、あの感覚。泣けるほど悲しいわけではないのに、なぜか心のどこかに引っかかって残る話があります。後悔、別れ、言えなかった言葉。切なさの中にこそ、人が生きる美しさがある——そんな短編をまとめました。

見守ってる

昨日、恋人が死んだ。 病気で苦しんだ末、死んだ。 通夜が終わり、病院に置いて来た荷物を改めて取りに行ったら、その荷物の中に俺宛の手紙が入っていた。 そこには、 …

当たり前の日常

小さな頃から、私と彼はいつも一緒でした。 周りがカップルに間違えるほどの仲でした。 私が彼に恋愛感情を抱いていると気付いたのは、高校3年生の時です。 今思うと、…

泣くな

ある日、教室へ行くと座席表が書いてあった。 私の席は廊下側の前から二番目。彼は窓側の一番後ろの席。離れてしまった。 でも同じクラスで本当に良かった。 ※ クラス…

父の唯一の楽しみ

私の家系は少し複雑な家庭で、父と母は離婚して別々に暮らしています。 私は三姉妹の末っ子で、父に会いに行くのも私だけでした。 姉二人なんて、父と十年近く会っていま…

人とのご縁

自分は三人兄弟の真ん中として、どこにでもある中流家庭で育ちました。 父はかなり堅い会社のサラリーマンで、性格も真面目一筋。それは厳格で厳しい父親でした。 母は元…

父親と猫のミル

家にはもう十年飼っていた猫が居たんだ。 家の前は昔、大きな広場で、その猫はその広場の片隅にある車の中で寝ていた子猫だった。 俺と姉ちゃんでその猫を家の庭まで連れ…

彼女の嘘

あなたは本当に俺を困らせてくれたよね。 あなたと付き合った日。 朝のバスでいきなり大声で、 「付き合ってください!」 そんな大声で言われても困るし。 と言うか場…

妹を守る兄

兄が6歳、私が2歳の頃に両親が離婚した。 私にその当時の記憶は殆ど無く、お父さんが居ないことを気にした覚えもありませんでした。 小学生に上がる頃に母が再婚し、義…