カテゴリー: ちょっと切ない話

胸が締め付けられるような、あの感覚。泣けるほど悲しいわけではないのに、なぜか心のどこかに引っかかって残る話があります。後悔、別れ、言えなかった言葉。切なさの中にこそ、人が生きる美しさがある——そんな短編をまとめました。

彼女の面影

古いピアノの調律をきっかけに結ばれた二人。けれど彼女は、若くして記憶を失っていきます。渡せなかったアクアマリンの指輪を手に、彼は遠い海辺の町へ彼女を訪ねました。…

猫が選んだ場所

古書店の帳場で十六年を共にした老猫の看取りの物語です。最期の居場所を探して姿を消した灯が、泥まみれになって帰ってきて、最後に選んだのは、わたしの腕の中でした。深…