約束の三十歳と脳内フィアンセ
鴨川の飛び石で交わした、三十歳まで独身なら結婚しようという約束。一か月後に旅立った脳内フィアンセが残したのは、百八円の指輪と「三十歳まで預かり中」と書かれた付箋…
胸が締め付けられるような、あの感覚。泣けるほど悲しいわけではないのに、なぜか心のどこかに引っかかって残る話があります。後悔、別れ、言えなかった言葉。切なさの中にこそ、人が生きる美しさがある——そんな短編をまとめました。
鴨川の飛び石で交わした、三十歳まで独身なら結婚しようという約束。一か月後に旅立った脳内フィアンセが残したのは、百八円の指輪と「三十歳まで預かり中」と書かれた付箋…
親友に第一子が生まれたとメールが届いたので記念に投稿します。 親友の嫁が俺の初恋の相手。 親友も親友の嫁(以下Aとします)も俺も同じ小学校、同じクラスで、Aは小…
俺が惚れた子の話をします。 俺はもう既に40歳前を迎えた独身男だ。 彼女も5年近く居ない。 そんな俺が去年の5月頃に友人に誘われ、ゴルフを始めた。 ゴルフなんて…
北海道・増毛の造り酒屋で冬だけ働いていたあなたと別れて、七年が経ちました。坂の途中の電柱で必ず一度だけ立ち止まっていた理由と、あの別れの言葉を誰から引き取ったの…
俺が小学生だった時の話。 ゲームボーイが流行っていた時期のことだ。 俺は車と軽く接触し、入院していた。 同じ病室には、ひろ兄という患者が居た。 ひろ兄は俺と積極…
初めて彼女に会ったのは、内定式の時。同期だった。 聡明を絵に書いたような人。学生時代に書いた論文か何かが賞を獲ったこともあるらしく、期待の新人ということだった。…
去年の夏、彼女が逝きました。 ある日、体調が優れないので病院へ。 検査の結果、癌。 余命半年と診断されました。 最期まで「もっと生きたい」「死にたくない」とは言…
20年前、私は団地に住んでいました。 夜の20時くらいに会社から帰ると、団地前の公園で雨の中、一人の男の子が傘もささず向かいの団地を見ながら立っていました。 は…
台風11号の余波が残る福岡の午後、整骨院の前で乗せたおばあちゃんは、小学三年の台風の日を語り出した。継母に使いへ出され、職員室で出会った女の先生。その正体を、私…
芸人の江頭さんがとある公園でロケをしていると、公園の隣にある病院から抜け出して来ていた車椅子の女の子がそのロケを見ていた。 ロケが終わり、その車椅子の女の子は江…
私がその先生に出会ったのは、中学一年生の時だった。 先生は私のクラスの担任だった。 明るくて元気いっぱい。 けれど怒る時は物凄い勢いで怒る。 そんなパワフルな先…
会社で、私の隣の席の男性が突然死してしまった。 金曜日にお酒を飲み、電車で気分が悪くなって、途中下車して駅のベンチで座ったまま亡くなってしまった。享年55歳。 …
Rの実家は猫好きな一家で、野良猫に餌をあげているうちに、家中猫だらけになってしまったそうだ。 住み着いた猫が仔を作り、その仔もまた仔を作る。 一時は家庭崩壊しか…
俺は以前、病院勤務をしていた。と言っても看護婦や医者などの有資格者じゃないんだけどね。 それでさ、掃除しようと思ってある病室に入ったんだよ。 よく知らずに入った…
私の前の上司(課長)は無口、無表情。雑談には加わらず、お酒も飲まず、人付き合いをしない堅物でした。 誠実公平、どんな時でも冷静なので頼もしい上司なのですが、堅過…