タグ: 泣ける話

お母さんの匂い

だめな子だと決めつけていた教え子の指導記録に、私は自分の大きな過ちを思い知りました。亡き母の形見の櫛にかすかに残る椿油の匂いと、やがて結婚式に届いた『母の席に座…

奥さんの日記

健康保険証を探していて、たまたま見つけた妻の小さな日記。自分のお昼を納豆ごはんにしてまで僕に尽くし、手放したバイクのために内緒で貯金する、知らなかった妻の毎日が…

コロの思い出

坂の上でいつも私を待っていてくれた、雑種の犬コロ。捨て犬だった子犬との出会いから、大病の看病、台風の日の待ち合わせ、そして十八歳を目前に旅立った最期まで、十八年…

みんな同じ

俺の娘は四つ。妻は娘を産んですぐ家を出て、母の話を避け続けてきた。ある夕方の電車で、片腕のない人を指さした女の子に、その母親が静かに語りかける。みんな同じじゃな…

親父からの感謝の言葉

親父は、競艇と酒に明け暮れる暴君だった。家を出て疎遠になった俺のもとへ届いた、入院の報せ。湖畔の宿で過ごした二日間、車の中で初めて聞いた「ありがとう」が、最後の…

幸せの在り処

街はずれの古本屋で出会った私と、閉店間際に通っていた彼女の物語です。子どもを産めないと知り、自分から別れを告げた彼女。それでも手を離さなかった私。立場が逆転した…

一身独立

坂の途中の小さな自転車店の店主と、駆け出しの営業だった私の物語です。息子の誕生日に交わした約束、雨の夜の突然の別れ、そして長い歳月を経て面接室で耳にした、あの父…

子犬を買いに来た男の子

わずかな小遣いを握りしめ、毎日ペットショップに通うひとりの男の子が選んだのは、足の不自由な一匹の子犬でした。そっとまくり上げたズボンの下に隠されていた、彼の本当…