兄の遺したハーモニカに吹き込まれていたもの
四十一歳で逝った兄が遺したハーモニカ。紙片に書かれたURLを開くと、そこには兄の声が——病気を隠し続けた理由と、最後の約束が込められた感動の短編。…
四十一歳で逝った兄が遺したハーモニカ。紙片に書かれたURLを開くと、そこには兄の声が——病気を隠し続けた理由と、最後の約束が込められた感動の短編。…
港町の祖母の家には、三時十分を指したまま動かない止まった柱時計があった。二万八千円の修理を断った祖母が代わりに買ったのは、千円の真鍮の音叉が一本だけ。調律師にな…
漁師の無口な養父は、褒め言葉も励ましも一度も口にしない人でした。葬儀のあと押し入れの奥から出てきたノートと万年筆、そして土間にしまわれていた潮のかからない一足の…
元教師のタクシー運転手が、怒鳴り続けた教え子の母親から聞かされた10年後の真実。折り紙に込められた言葉と、すれ違いを超えた祈りの感動短編。…
郵便局員の遼太は祖母の遺品から古い鍵を見つける。鍵が開けた引き出しの中には、二十年分の日記が眠っていた。不器用な祖母が綴り続けた、孫への想いとは——…
幼馴染が夜逃げで消えた日から十五年。タクシー運転手の俺の車に乗り続けた男が握りしめたのは、あの日机に残されたハーモニカだった——不器用な友情が胸を打つ感動の物語…
古書店主の増田は、口うるさかった恩師の万年筆のキャップに隠された手紙を見つける。そこには一度も口にしなかった言葉が、静かに記されていた。…
亡き祖母が遺したお守りの中に入っていたものを見つけた孫の物語。遠慮がちだった祖母の、言葉にならない愛情に涙が止まらない。…
岐阜・郡上八幡の水路沿いにある小さな花屋を継いだ娘が、母の引き出しから見つけた四十粒のヤグルマギクの種の話です。二十年ぶんの発芽検査の記録と、九月の誕生日のたび…
郵便局員の父が、五年前から預けていた手紙。そこに書かれていたのは、不器用な父が一度も言葉にできなかった誇りと愛情だった。…
調律師の私が父の遺品から見つけた古いレコーダー。そこに録られていたのは、幼い日の私のピアノと、父が一度も言葉にできなかった想いだった。…
指輪の内側には、サイズの数字のほかに細かい傷が一列だけついていました。二十歳の春に不妊と告げられた私に、作業着のまま駆けつけた彼が差し出した小さな箱。一年後に本…
高校一年の秋から、私の上履きの向きはいつも揃っていました。踵を外に向けて、左右が同じ角度で並んでいる。自分で揃えた覚えはありません。同じ高校に通う幼馴染が階段か…
あなたは雪を描くとき、白い絵の具を使わない人でした。夏の病室で「ゆきがみたい」と言われ、僕は真夏の富士山へ登りました。間に合わなかったあの夏と、枕元に置いていっ…
小学三年の夏休み、バス停に毎日立つ中学生の女の子がいました。時計台を見上げ、時刻表の同じ行を人差し指でなぞる。それを何時間も繰り返していたのです。十数年後、同じ…