母が縫っていた革の日記
讃岐の手袋の町で、写真機を買えない母が革の端切れに子の姿を縫い続けた泣ける話です。小学四年の春に私はその束を引き裂き、母は一晩かけて綴じ直しました。ただ一枚だけ…
讃岐の手袋の町で、写真機を買えない母が革の端切れに子の姿を縫い続けた泣ける話です。小学四年の春に私はその束を引き裂き、母は一晩かけて綴じ直しました。ただ一枚だけ…
半年家を空ける岩手の南部杜氏の父と、そのたびに父の顔を忘れてしまう娘の泣ける話です。蔵へ持って出た柄杓の柄に刻まれた十八の刻みと、いちばん上の一本だけがなぜ深い…
鹿児島の甲突川ぞいで錫器を打っていた父と、二十年会わなかった息子の泣ける話。工房の作業台に残された小さな湯呑みと、桐箱に眠る十九個が語るのは、いちばん深いへこみ…