遠回りの帰り道と指切り
諏訪の団地で二人の男の子を育てています。弟とは同じ小学校へ行けないと伝えた日、兄は部屋に籠り、三十分後に出てきて、たった一つの約束をさせました。その春から続いた…
読んでいるうちに、胸がじわりと温かくなる話を集めました。日常の中に隠れた誰かの優しさ、見えないところで続けられた愛情、言葉にならなかった想い。泣けるというより、しみじみと何かが伝わってくる——そんな感動する話をお届けします。
諏訪の団地で二人の男の子を育てています。弟とは同じ小学校へ行けないと伝えた日、兄は部屋に籠り、三十分後に出てきて、たった一つの約束をさせました。その春から続いた…
六歳の春に来た義母の手帳には、毎年一月十四日に赤い丸がついていた。誕生日でも命日でもない。四十年知らずにいた手帳の赤い丸の意味を、私は通夜の席で妻から聞かされた…
俺には妹が居るんだが、これが何と10歳も年が離れている。 しかも俺が13歳、妹が3歳の時に母親が死んでしまったので、俺が母親代わり(父親は生きているから)みたい…
俺は小さい頃、家の事情でばあちゃんに預けられていた。 当初は見知らぬ土地に来てまだ間も無いため、当然友達も居ない。 いつしか俺はノートに、自分が考えたすごろくを…
私の両親は小さな喫茶店を営んでいます。 私はそこの一人娘で、父は中卒で学歴はありませんが、とても真面目な人でした。 バブルが弾けて景気が悪化して来た頃、父は仕事…
「このぽっけ、すごいねんで!!(`・ω・´)三3ムフー!!」 そう言って幼稚園の制服のポケットをパンパン叩いていた友達Aの息子。 ポケットにはハンカチ、ティッシ…
普段は俺のことをバカにしまくっているドーベルマンのロッキー。 しかし小学生の時、ロッキーは俺を助けてくれた。 ※ お袋の実家に帰省していた時、近所の大きな川にロ…
小学校の頃、クラスの友人が手から血を流していたので、ティッシュを渡してあげた。 「どうしたんだ?」 と聞いたところ、ムカつく猫が居たので捕まえて、水の入ったポリ…
奈良・吉野で八つの山を預かる山守だった父は、山を下りるたびに道の脇の石を三つ、崩してから積み直していました。毒蛇から父を庇って噛まれた愛犬フクが、なぜ三十年もの…
2000年7月4日、20世紀最後のアメリカ独立記念日を祝う洋上式典に参加するため、世界各国の帆船170隻、海軍の艦艇70隻がニューヨーク港に集結した。 翌日の5…
大昔は、8月上旬は30℃を超えるのが夏だった。朝晩は涼しかった。 8月の下旬には、もう夕方の風が寂しくて秋の気配がした。 泥だらけになって遊びから帰って来ると、…
以前、大きな病院に通院していました。 ある日、男子トイレの洋式の方に入って座ると、ドア裏に小さな落書きがあったのです。 『入院して二ヶ月 治らない もうだめだ』…
今日、ゲーセンで人のプレイを見物していたら、カプエス台(※注1)に小学生らしき子が乱入していた。 波動拳も知らないようで、ひたすらガチャプレイ。 ガードもままな…
春一番が吹き荒れた日。 本当に物凄い強風で、その日は朝から店の看板が倒れたりトラブル続きで、ずっと落ち着かず疲れ切っていた。 そんな時、若いカップルのレジをして…
和歌山県の南端に大島がある。その東には、明治三年に出来た樫野崎灯台があり、現在も断崖の上に建っている。 明治23年9月16日の夜、台風が大島を襲った。 ビュワー…