タグ: 泣ける話

父の声が入ったテープ

納屋の棚の奥から見つかった錆びた缶。中に入っていたのは、無口な父が一人でこっそり録音していたカセットテープだった——泣ける話・感動の短編…

六十年分の桜のしおり

能登の縁側に、横浜から見知らぬ封筒が届いた。差出人は、十五の夏に桜のしおりを手渡した少年の娘だった。世界中の港の本に一枚ずつ挟まれた和紙と、朱色の組紐の結び目。…

父の宿帳の余白

山形蔵王の温泉宿を四十五年守った父。閉店の日、宿帳の余白に毎晩書き続けた一行詩を娘が見つけたとき——沈黙の父が遺した四十五年分の言葉に、心が震える感動の短編。…

兄が遺した銀の鈴

亡くなった兄の研究ノートが、五年経って横浜のパン屋に届いた。最後のページに書かれていたのは、妹に宛てた静かな祈りだった。猫の首輪に揺れる銀の鈴の音と共に、無口な…

縫い針が結んだ三十四年

東京から帰郷した息子が、亡き母の足踏みミシンの抽斗で四十年分の端切れと一通の便箋を見つけた——無口だった母の手仕事が、息子の人生を見守り続けていた静かな感動の短…

妻の名が彫られた鑿

船大工の俺は、亡き父の道具箱から「とみ」と妻の名が彫られた古い鑿を見つけた。三十五年連れ添った妻と、亡き父が静かに残した感謝の物語。号泣必至の感動短編。…

タカさんの真鍮の笛

母の夜勤の夜、八歳の俺は函館の坂下にある『みなと食堂』のおばあさんに救われた。彼女がくれた小さな真鍮の笛にこめられた秘密と、世代を超える優しさの連鎖を描く心温ま…

絵日記の最後のページ

妻を亡くして五年、老犬ハナと二人で暮らしてきた獣医のもとに、疎遠だった娘と孫が夏休みを過ごしに帰ってきた。ハナの最期と、孫娘の絵日記の最後のページが、沈黙の家族…

兄ちゃんの鋏の音

「兄ちゃんは手でしゃべる人」——三十年前に亡くなった弟が遺した古い動画で、ずっと謝れなかった理容師の兄が知る本当の気持ち。不器用な兄弟の沈黙の理解が、姪の結婚式…

二十四枚のカメラ

七年前に喧嘩別れした幼馴染が先月他界した。遺品として届いた二十四年前の使い切りカメラを現像すると、最後の五枚に、病床の自撮りと、冬の海と、私への謝罪のメッセージ…

十五年越しの忘れ物

十五年前、大阪の雨の夜に私のタクシーに残された、ひかりと書かれた小さな貯金箱。ずっと返せずにいた忘れ物が、思いがけない再会で持ち主の娘のもとへ帰っていく。静かに…

干し花の残った場所

陶芸家の俺は10年前の元恋人を忘れられず、もらった花束を干し花にしてずっと工房に置いていた。ある秋、その彼女が客として現れ——切なくも温かい再会の物語。…