夫婦の最期の時間
心肺停止で運ばれた八十八歳の夫に、八十四歳の妻が静かに願い出たのは、自らの手で行う心臓マッサージでした。雪の夜の救急外来で研修医が見届けた夫婦の最期の時間を描く…
続きを読む:夫婦の最期の時間心肺停止で運ばれた八十八歳の夫に、八十四歳の妻が静かに願い出たのは、自らの手で行う心臓マッサージでした。雪の夜の救急外来で研修医が見届けた夫婦の最期の時間を描く…
続きを読む:夫婦の最期の時間だめな子だと決めつけていた教え子の指導記録に、私は自分の大きな過ちを思い知りました。亡き母の形見の櫛にかすかに残る椿油の匂いと、やがて結婚式に届いた『母の席に座…
続きを読む:お母さんの匂い苦手だった上司の部長は、私のたった一晩の失敗の責めを、何ひとつ言わずにたった一人で背負い、静かに会社を去っていきました。開いた薄荷の飴缶に添えられた一粒のメモが…
続きを読む:苦手だった部長健康保険証を探していて、たまたま見つけた妻の小さな日記。自分のお昼を納豆ごはんにしてまで僕に尽くし、手放したバイクのために内緒で貯金する、知らなかった妻の毎日が…
続きを読む:奥さんの日記坂の上でいつも私を待っていてくれた、雑種の犬コロ。捨て犬だった子犬との出会いから、大病の看病、台風の日の待ち合わせ、そして十八歳を目前に旅立った最期まで、十八年…
続きを読む:コロの思い出親父は川べりから帰るとき、いつも平たい石をひとつだけポケットに入れていた。負けた日にだけそうしていたと知ったのは、逝ったあとだ。物置の缶に詰まっていた水切りの石…
続きを読む:親父が拾い続けた水切りの石夫は、息子の産声を聞けないまま、静かに逝きました。一歳の誕生日に郵便受けへ届いた、二通の手紙。雪深い和紙の里で紙を漉く妻のもとへ、亡き夫が遺した不器用な言葉が、…
続きを読む:亡くなった旦那からの手紙街はずれの古本屋で出会った私と、閉店間際に通っていた彼女の物語です。子どもを産めないと知り、自分から別れを告げた彼女。それでも手を離さなかった私。立場が逆転した…
続きを読む:幸せの在り処海沿いの小さな町で、お針子の祖母にひとり育てられた私の物語です。祖母が夜なべして縫ってくれたお手玉、誰にも言えなかったいじめ、そして物忘れの果てに電話越しで交わ…
続きを読む:私はおばあちゃんの子だよわずかな小遣いを握りしめ、毎日ペットショップに通うひとりの男の子が選んだのは、足の不自由な一匹の子犬でした。そっとまくり上げたズボンの下に隠されていた、彼の本当…
続きを読む:子犬を買いに来た男の子雨の河原で拾った柴犬のむぎは、十二年のあいだ家族の真ん中にいてくれました。その別れに泣き崩れ抜け殻のようになった私を、もう一度前へと歩かせてくれたのは、まだ小さ…
続きを読む:息子が教えてくれた雪の降る港町で、人生のどん底のまま海へ向かった洋裁職人の私を救ってくれたのは、道に迷った夜のパン屋・湊さんでした。焼きたてのパンから始まった出会いと、十年の静か…
続きを読む:私は幸せでした泣ける話。下町の豆腐店に引き取られた私は、父の急死で血のつながりがないと知り、養母を嫌い抜きました。ぼろぼろになって働く母の背中と、雨の朝に投げかけられた「いっ…
続きを読む:いってらっしゃいラクリマを応援する
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