カテゴリー: 仕事

仕事の場所には、人の本音が宿っています。お客さんとのやりとり、先輩の背中、後輩への言葉——仕事をテーマにした泣ける話は、日常の中の人間の温かさと誠実さを描いています。「感動する話 実話」を探しているあなたへ。

杜氏の櫂と白いままの帳面

昭和二十二年の秋、台風で汽車が止まり、山あいの酒蔵に二十数人が流れ着いた。米は尽きた。義父は翌年の仕込みのために三年かけて隠した一俵を釜に空け、酒造りの櫂で粥を…

船頭がくれた欠けた飯茶碗

十七の冬、厳しい父と衝突し家を捨てた俺は、雪の北の港町で行き場を失った。飯にありつけず座り込む俺に声をかけたのは、腰に藍色の手ぬぐいをさげた老いた船頭だった。名…

風鈴職人と小さなお客さん

昭和の港町を舞台にした泣ける話。風鈴職人の私のもとへ、海から戻らぬ父のために、泣いてばかりの母を笑わせたいという男の子が訪れた。豆粒ほどの小さな風鈴に託した祈り…