カテゴリー: 悲しい話

思い切り泣きたいとき、この場所へ来てください。大切な人を失ったこと、届かなかった気持ち、間に合わなかった言葉——悲しい話には、悲しいからこそ伝わる本当のことが詰まっています。号泣できる実話風短編を集めました。

そのままの部屋

4年前、会社の友人が交通事故で奥さんと4歳の長男を失いました。飲酒運転の車が彼らを轢いたのです。ニュースでも大きく取り上げられるほどの痛ましい出来事でした。加害…

月に捧げた三度の祈り

七歳で祖父母に預けられた少年は、夜ごと窓辺の月に向かって手を合わせ、命と引き換えの願いを三度口にしました。三度とも叶わなかった祈りの先で、向かいの窓から二度だけ…

失われた春

あれは今から1年半前、大学3年になったばかりの春のことでした。 大学の授業が終わり、帰り支度をしているときに、携帯電話が鳴りました。 着信画面に映ったのは、彼の…

最後の演奏会

昭和二十年五月、佐賀県の鳥栖小学校を訪ねた二人の若い将校は、出撃前に一度だけピアノを弾きたいと願いました。最後の演奏会の放課後と、翌朝の南の空、そして今も大切に…

優しい味のおにぎり

もう20年以上前のことです。古びたアパートでの一人暮らしの日々。 安月給ではあったが、なんとか生計を立てていました。隣の部屋には50代のお父さんと、小学2年生の…

戦時の影

私が今、介護福祉士として働いているところに、とある老人がいる。彼は普段から明るく、食事もよく食べ、周囲を和ませる存在だ。 先日、妹が修学旅行で鹿児島に行く話をし…

未来への手紙

家内を亡くしました。 お腹に第二子を宿した彼女が乗ったタクシーは、病院へ向かう途中、居眠り運転のトラックと激突し、彼女は即死でした。 警察からの連絡を聞いた時、…