妻はどの戸も閉めなかった
福井・鯖江の眼鏡フレーム工場で、削りの音だけを頼りに生きてきた父親の話です。三歳の娘の難聴を告げられた冬、家じゅうの戸がいつも五センチだけ開けてあった理由と、台…
続きを読む:妻はどの戸も閉めなかった福井・鯖江の眼鏡フレーム工場で、削りの音だけを頼りに生きてきた父親の話です。三歳の娘の難聴を告げられた冬、家じゅうの戸がいつも五センチだけ開けてあった理由と、台…
続きを読む:妻はどの戸も閉めなかった一人暮らしを始める時、意気込んでフライパンを買った。 ブランドには疎いが、とにかく28センチの物を一本。 それまで料理なんて全くしなかったのだが、一人暮らしだか…
続きを読む:彼女とフライパン私は不妊治療の末にようやく産まれた子供だったそうです。 幼い頃から本当に可愛がられて育ちました。 もちろんただ甘やかすだけではなく、叱られることもありました。 …
続きを読む:思い出のスプーン俺が小学6年生の頃の話。 俺は当時、親の転勤で都会から田舎へと引っ越しをした。時期はちょうど夏休み。全く知らない土地で暮らすのはこれで五回目だった。 引っ越しが…
続きを読む:初めて好きになった人もう十年も前の話。 俺が京都の大学生だった頃、男二人、女二人の四人組でいつも一緒に遊んでいた。 そんな俺たちが四回生になり、めでたく全員就職先も決まった。 「も…
続きを読む:脳内フィアンセ戦時中の沖縄での事です。 当時12歳だった叔父さんは、自然の洞穴を利用して作られた壕の中に居た。 他の住民や、部隊からはぐれた大怪我を負った兵隊たちも隠れていた…
続きを読む:立派な将校さんインドで傭兵としてパキスタン軍と対峙していた時、遠くから歌が聞こえてきた。 知らない言葉の歌だったが、味方のものではないことは確かなので、銃をそちらに向けた。す…
続きを読む:戦友を弔うために数年前にお父さんが還暦を迎えた時、家族4人で食事に出掛けた。 その時はお兄ちゃんが全員分の支払いをしてくれた。 普段着ではなく、全員が少しかしこまっていて照れく…
続きを読む:赤い薔薇の花束30歳になる少し前に離婚した。 その一年半後に現在の妻を紹介された。 高校を出て7年間、妻は俺の祖母の兄が営む田舎町の店舗に勤めていた。 安い給料なのに真面目に…
続きを読む:風変わりなアピール山口・下関の路線バスを二十六年運転した男性の話です。毎朝同じ便に乗る女子高生が、料金箱の前で必ず小銭を二度に分けて入れていました。その三秒が誰のために使われてい…
続きを読む:小銭を二度に分けて入れる子ラクリマを応援する
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