カテゴリー: 恋愛

好きだった人のこと、一緒にいられた時間、終わってしまった恋のこと。恋愛の話は、泣ける話の中でも特別な痛みと温かさを持っています。実話風の短編から長編まで、恋する気持ちと別れの切なさを丁寧に描いた作品を集めました。

ずっと一緒だから

もう、あれから二年が経った。 当時の俺は、医学生だった。そして、かけがえのない彼女がいた。 世の中に、これ以上の女性はいない。本気でそう思えるほど、大切な存在だ…

届かぬ想い

関係を迫ると、「あなたは紳士じゃない」と言われた。 けれど、関係を迫らなければ、「あなたは男じゃない」と責められた。 何度も君の部屋を訪ねると、「もっと一人の時…

彼女が遺した約束

大学時代、私たちの仲間内に、1年生の頃から付き合っていたカップルがいました。 二人はとても仲が良く、でも決して二人だけの世界に閉じこもることなく、みんなと自然に…

最後の夜に残された想い

一年間、同棲していた彼が、突然この世を去った。 理由は交通事故だった。 それも、私たちが大喧嘩をした、その日の夜のことだった。 本当に、あまりにも突然すぎて、現…

届かなかった「ごめんね」

あの日、私たちは些細なことで言い争っていた。 本当はすぐにでも仲直りできると、心のどこかでは思っていた。 でも、彼女は険しい表情のまま、何も言わずに仕事へと向か…

残された日記

二年間付き合っていた彼に、突然別れを告げられました。 それは、彼の口から出たとは思えないほど酷い言葉で、心が引き裂かれるような別れでした。 どれだけ「まだ好きだ…

君の笑顔のために

高校二年生の夏、僕は恋をした。 好きで、好きで、堪らなかった。 その相手を好きになったきっかけは、僕がクラスでひどいいじめに遭い、生きる意味さえ分からなくなって…

光の中での再会

一昨年の今日、僕は告白をしました。それは、生まれて初めての告白でした。 彼女は、全盲でした。 その事実を知ったのは、彼女がピアノを弾いているのを聴いて、深く感動…

九回ほどいた藍色の帽子

岡山・児島の縫製工場で裁断をしていた二十六歳の従兄弟と、毎日六時半に病室へ通った検品係の千夏さん。手編みの藍色の帽子は、ひと月ごとに新しくなりました。十五年後、…

君のための手話

待ち合わせ場所で彼女を待っていると、ふと目に留まったのは、大学生くらいの若いカップルだった。 男の子が女の子の正面に立ち、何かを必死に伝えるように、両手を忙しな…

あなたの笑顔と約束

あの日、バスで初めてあなたと会った時、突然の告白に困惑しながらも、その勇気に心打たれました。 初めてのデートは、あなたが寝坊して3時間も遅れてきたことに驚いたけ…

住宅展示場で二回叩いた柱

九月の日曜日、建て替えを考える家族と住宅展示場を回った私は、三軒目の和室で癖のように檜の大黒柱を二回叩いた。背後で、二十年ぶりに旧い呼び名で呼ばれた。転校の日に…

雨の中の青年

20年前、私が団地に住んでいた頃のことです。 ある晩、会社から帰宅すると、団地前の公園で一人の男の子が、雨の中傘もささず、向かいの団地をじっと見つめていました。…