最期の時
俺だけしか泣けないかもしれませんが。 この間、仕事から帰ると妻が一人掛けの椅子に腰かけて眠っていました。 そんなはずは無いと解っていても、声を掛けられずにはいら…
胸が締め付けられるような、あの感覚。泣けるほど悲しいわけではないのに、なぜか心のどこかに引っかかって残る話があります。後悔、別れ、言えなかった言葉。切なさの中にこそ、人が生きる美しさがある——そんな短編をまとめました。
俺だけしか泣けないかもしれませんが。 この間、仕事から帰ると妻が一人掛けの椅子に腰かけて眠っていました。 そんなはずは無いと解っていても、声を掛けられずにはいら…
まだ幼い頃、祖父を慕っていた私はよく一緒に寝ていました。 私は祖父のことをとても慕っていたし、祖父にとっては初孫ということもあって、よく可愛がってくれていました…
「空に憧れて、空を駆けてゆく あの子の命は、飛行機雲」 その歌の通りでした。 小さい頃から、 「僕、ぜーったいパイロットになるからね!」 と言っていたあの子。 …
2年前、父を癌で亡くしました。 癌が発覚したのはその3年前。風邪が治らないと病院に通い、それでも治らず精密検査をしたら肺癌が見つかりました。しかもリンパにも転移…
私が中学3年生になって間もなく、母が肺がんであるという診断を受けたことを聞きました。 当時の自分は受験や部活のことで頭が一杯で、生活は大丈夫なのだろうか、お金は…
幼い頃から両親が共働きで、俺の面倒を見てくれたばあちゃん。 俺は癇癪持ちだったからめちゃくちゃ怒られたけど(笑)。 あまりにも怒らせると、トイレに閉じ込められた…
一番でないと気が済まない母のもとで、私は中学でいじめに遭っていました。机の落書きを毎朝消していたので、消しゴムは一週間ももちません。それでも筆箱には、いつも新し…
10年前に飼い始めた、コザクラインコのぴーちゃん。 ぴーちゃんという名前は、子供の頃からぴーぴー鳴いていたから。 ぴーちゃんは、飛行機に乗って遠く九州から東京に…
阿久根の坂道を、じいちゃんは軽トラの助手席の窓だけを下ろして走りました。堤防で煙草を吸う孫を毎回迎えに来たおじいちゃんが、仏壇の引き出しに封も切らずに残していた…
愛媛・今治のタオル工場で検反をしていた母から届いたメールは、六年分の八十七通がすべて十文字より短いものでした。不登校だった娘のために、母は文字を削り続けていたの…
私には、大好きな男の子がいた。 その子は幼馴染で、小さな頃からずっと一緒だった。 私はいつも支えてくれた彼が大好きだった。 でも、彼は自ら命を絶った。 首を吊り…
あれは何年も前、僕が年長さんの時でした。 僕は生まれた時から重度のアレルギーがあり、何回も生死の境を彷徨って来ました。 アレルギーの発作の事をアナフィラキシーシ…
私のばあちゃんは、いつも沢山湿布をくれた。 しかも肌色のちょっと高い物。 中学生だった私はそれを良く思っていなかった。 私は足に小さな障害があった。 けれど日常…
家の裏に同じ猫が、よく通っていた。 痩せていたので、残飯を少し置いてあげた。 私自身、あまり動物が好きではない。 以前は子供のためにウサギを家で飼ったが、そのせ…
旦那の上司の話です。亡くなったお子さんの話だそうです。 主人の上司のA課長は、病気で子供を失いました。 当時5歳。幼稚園で言えば、年中さんですね。 原因は判りま…