カテゴリー: 悲しい話

思い切り泣きたいとき、この場所へ来てください。大切な人を失ったこと、届かなかった気持ち、間に合わなかった言葉——悲しい話には、悲しいからこそ伝わる本当のことが詰まっています。号泣できる実話風短編を集めました。

海老の入ったお弁当

体の弱い母が、震える手で毎朝作ってくれた見映えの悪いお弁当。恥ずかしさからそれを捨て続けた娘が、母を亡くしたあとに見つけた一冊の日記。その最後の一行に綴られてい…

宝物ボックス

海に磨かれた青い硝子のお守りを、幼馴染の千夏はいたずらのように持ち去りました。彼女の死後に開いた宝物箱と、投函されなかった手紙の束が、言えなかった互いの想いを静…

おにぎりをくれた女の子

泣ける話。瀬戸内の港町の古い文化住宅で出会った、隣の部屋の小さな女の子。お腹を空かせた私に握ってくれた、塩気のないおにぎりの本当の意味を、私はずっとあとになって…

一緒に遊んでくれた女の子

両親の離婚で一人ぼっちだった小学生の私に、絵本を抱えて話しかけてくれた、一つ年下の女の子。やがて離れてしまった私と、彼女の突然の別れを描く泣ける話です。冷たい頬…

彼からの手紙

潮の匂いのする小さな港町で育った幼なじみの彼に、私はずっと片想いをしていました。旅立ちの前夜に告白するはずだった日、彼は事故で逝きました。三年間どうしても開けな…

彼女の面影

古いピアノの調律をきっかけに結ばれた二人。けれど彼女は、若くして記憶を失っていきます。渡せなかったアクアマリンの指輪を手に、彼は遠い海辺の町へ彼女を訪ねました。…

彼との最後の夜

付き合って三年目の記念日、些細な喧嘩で家を出た恋人が、わずか十分後に近所の交差点で逝きました。遺された缶コーヒーとカーディガンが静かに語った、不器用なあの人の深…

三頭の象

閉園を控えた小さな動物園を訪ねた私が知った、象係だった祖父の戦争。餌を絶たれてなお人の拍手を信じ、万歳の芸を続けた三頭の象の最期。遺された飼育日誌と一つの鈴が、…

親父の思い出

城下町の時計店に遺された子供の腕時計をめぐる、泣ける話の短編です。疎遠なまま独りで亡くなった父が、二十年以上も前に私が忘れた時計を、外しかけの歯車のまま直そうと…