カテゴリー: 悲しい話

出会い

昔、美術館でバイトをしていた。 その日の仕事は、地元の公募展の受け付け作業。 一緒に審査員の先生も一人同席してくれる。 その時に同席してくれたのは、優しいおじい…

幸せだった日常

嫁と娘が一ヶ月前に死んだ。 交通事故で大破。 単独でした。 知らせを受けた時、出張先でしかも場所が根室だったから、帰るのに一苦労だった。 でもどうやって帰ったの…

生まれて来てくれて有難う

親と喧嘩をし「出て行け」と言われ、家を飛び出して6年。 家を出て3年後に知り合った女性と同棲し、2年後に子供が出来た。 物凄く嬉しかった。 母性愛があるのと同じ…

最後の日記

小学校の時、虐められていた。 消しゴムを勝手に使われたので怒ったら、相手が学年のボス格の女子。 それ以来、クラスから無視された。 それが中学に入っても変わらず、…

抱き締められなかった背中

私が中学生の時の話です。 当時、私には恋人のような人が居た。 『ような』というのは、付き合う約束はしていたけど、まだ付き合い始めていない状況だったため。 子供な…

平和な世界で

あなたへ あなたが、戦地にお向かいになってからもう、何度目の夜でしょう。 娘も、こんなに大きくなって。 あなた、見ていてくれていますか? あの時、私はあなたに言…

ジッポとメンソール

俺は煙草は嫌いだ。でも、俺の部屋には一個のジッポがある。 ハートをあしらったデザインは俺の部屋には合わないけど、俺はこのジッポを捨てる事は無いだろう。 一年前。…

少年の志願

俺は今、介護福祉士として働いている。 妹が今度修学旅行で鹿児島へ行くらしく、職場でその話をしていたら、利用者さんの一人が 「鹿児島か…」 と暗く呟いた。 その方…

海行かば

このお話は8年程前、九州の西日本新聞に掲載され、映画化もされました。 ご存知の方も多いはずです。特繰出身の学徒兵の方々のお話です。 当時東京に居た私は、銀座の東…

妹からの最後のメール

妹からの最後のメールを見て、命の尊さ、居なくなって残された者の悲しみがどれほど苦痛かを実感します。 白血病に冒され、親、兄弟でも骨髄移植は不適合でドナーも見つか…

母子手帳

今年の6月に母が亡くなった。火事だった。 同居していた父親は外出していて、弟は無事に逃げる事が出来たのだけど、母親は煙に巻かれて既に駄目だった。 自分は違う地方…

たくましいお兄ちゃん

親戚にとても仲の良い幼い兄妹が居た。 兄は3才の康介ちゃんで、妹は2才の愛ちゃん。 当時21歳だった俺にとっても、可愛くてたまらない子供達だった。 ※ しかしあ…

たくちゃん

その人は一個上の先輩で、同級生や後輩からも『たくちゃん』と呼ばれていた。 初めて話したのは小学校の運動会の時。 俺の小学校は、全学年ごちゃ混ぜで行われる。俺は青…

ボロという犬の話

小学3年生の時、親父が仕事帰りに雑種の小犬を拾って来た。 黒くて目がまん丸で、コロコロとした可愛い奴。 でも野良なので、小汚くて毛がボロボロに抜けていた。 そん…

彼女からの最後のメール

あの日、俺は彼女と些細な事でケンカをしていた。 お互い険悪な状態のまま、彼女は車で仕事へ行った。 俺は友達に会い、彼女の愚痴を言いまくっていた。 そして彼女の仕…