タグ: 家族

父の壊れた眼鏡

時計修理士の俺が、亡き父の遺品整理で見つけたセロハンテープだらけの壊れた眼鏡。大切なものの箱に残された七年分の覚え書きが、父が息子に言えなかった想いを静かに明か…

祖父の弁当箱

無口で不器用な祖父が遺したアルミの弁当箱。その底に折り畳まれた一枚の紙が、六年越しの言葉を語りかけてきた——港町を舞台にした、涙があふれる感動の物語。…

手縫いのタスキを渡された朝

箱根駅伝の四区を走った親父は、駅伝ごっこのたびに「四区は、俺の区間や」と言って、お袋が縫った手縫いのタスキを俺の肩にかけた。高校で陸上をやめ、八年口をきかなかっ…

祖父の畳に座っていた幻

会ったことのない祖父が最後に作った六畳が、うちの和室に敷いてある。三千万円の見積もりを間違えた秋、私は夜中にその祖父の畳に座り、幻を見た。幻は「洋二、立ち直りな…