炭鉱跡の野原の干し花
十三年ぶりに東京へ届いた小包には、手紙が一行も入っていなかった。薄い木の額と、白い星形の野原の干し花が一枚きり。送り主は筑豊の炭鉱町で一緒に育った幼馴染だった。…
十三年ぶりに東京へ届いた小包には、手紙が一行も入っていなかった。薄い木の額と、白い星形の野原の干し花が一枚きり。送り主は筑豊の炭鉱町で一緒に育った幼馴染だった。…
高校時代の親友が貸してくれたバスケットシューズ。社会人になり疎遠になった二人を繋いでいたのは、毎年誕生日に書かれた未送信メッセージだった。友情と後悔の号泣短編。…
温泉街の駅員として働く俺のもとに届いた忘れ物。中には折り鶴と、十五年間音信不通だった幼馴染からのメモが入っていた。不器用な二人が最後に交わした言葉とは。…
十八年ぶりに帰郷した時計修理士の俺は、幼馴染みの由香が三年前に亡くなったことを知った。母から受け取った古い封筒に、小さな水色の折り鶴と短いメモがあった。「東京に…
小学生のころ、二人でよく折り紙の鶴を折った。大人になって離れ離れになった幼馴染の母が、ある日花屋を訪ねてきた。娘が折り続けていた鶴のことを話してくれた。…
幼馴染が夜逃げで消えた日から十五年。タクシー運転手の俺の車に乗り続けた男が握りしめたのは、あの日机に残されたハーモニカだった——不器用な友情が胸を打つ感動の物語…
香川・小豆島の全校八十人ほどの中学校で、一年ぶりに退院して戻ってくる同級生のために、弟が誰にも言わずに丸坊主になりました。翌朝の教室は坊主だらけ。島にたった一軒…
熊本・山鹿の灯籠師だった友人は、電話をかけると必ず三回目のコールで出ました。半年に及ぶ入院のあいだ一度も見舞いに行かなかった私が、遺品整理の日に古いマグカップを…
右手を失った友人は、ゲームに誘うたびに同じ言葉で断りました。ベッドの下の雑誌は背表紙が奥を向いていて、私はそれを隠しているのだと十四年のあいだ思い込んでいたので…
昭和三十四年、瀬戸内の小さな島でたった一人の医者だった私が立ち会った、忘れられない輸血の話です。注射の列でいつも最後尾に下がっていた少年が、その日だけは一番先に…
南の島の古い桟橋で、日本の歌を口ずさむ老人と出会った。太平洋戦争のさなか、共に陣地を築いた島の若者たちが、日本兵の隊長から浴びせられた一言の暴言。裏切られた——…
隣の家の章にいと二人で作った川の生きもの図鑑は、九十三番で止まったままでした。塀一枚向こうの窓を見ないようにして過ごした二年のあと、私の手に残されたのは絵のない…
事故で逝った親友から、命日の朝に届いた、たった一通のメール。指定された公園のベンチで一人過ごした夕暮れが、僕の家族の命を救いました。終点の海を夢見た二人の友情と…
病弱な少女から届いた、一枚の夕焼けの絵葉書をめぐる、泣ける話の短編です。牛乳配達の朝に交わした小さな約束、木箱越しに続いた言葉のやり取り、同じ空を別々の窓から見…
泣ける話。ほとんど学校に来られない少女に毎日連絡帳を届ける係になった俺は、帳面の隅で交わした小さな文通と、指切りの約束を知ります。渡せなかった一枚の絵、果たせな…