三度の祈り
それは今から数年前、俺の人生における三度の神頼みの始まりでした。 最初は七歳の時、両親が離婚し、厳しい祖父母の元へ預けられた時のことです。 彼らから「お前のせい…
長い時間を一緒に過ごした二人の話には、言葉では説明できない深さがあります。すれ違い、誤解、後悔、そしてその先にある愛情。夫婦にまつわる泣ける話——結婚することの意味を改めて教えてくれる短編を集めました。
それは今から数年前、俺の人生における三度の神頼みの始まりでした。 最初は七歳の時、両親が離婚し、厳しい祖父母の元へ預けられた時のことです。 彼らから「お前のせい…
昨日の朝、私は妻と言い争いをしてしまった。原因は、夜更かしによる私の寝不足で、朝の機嫌が非常に悪かったことだ。 「また仕事か」とぼやきながら起きる私。妻は私の気…
家内を亡くしました。 お腹に第二子を宿した彼女が乗ったタクシーは、病院へ向かう途中、居眠り運転のトラックと激突し、彼女は即死でした。 警察からの連絡を聞いた時、…
私たちが夢見た奇跡は、結婚して5年目のある日、現実となった。待ちわびた命が、ついに私たちの世界にやって来た。 しかし、幸せの中で隠されていた試練が、子供が2歳に…
私たちの娘は3歳で、ほとんど聞こえません。 その現実を知った日、私と妻はただただ涙に暮れました。繰り返し泣きました。 難聴という言葉が娘を別の世界の生き物に見せ…
我が家に伝わる語り草、それは遠く南の地で戦ったおじいちゃんの物語である。 具体的な国名までの記憶は色褪せているが、彼が足跡を残したのは深緑に覆われたジャングルの…
妻と娘が一ヶ月前に交通事故で命を落としました。 独りで運転していた車が大破したそうです。 その知らせを受けたとき、私は出張先の根室にいました。 帰るのは一苦労で…
私はあの日、緊急搬送されました。 生まれて初めて救急車に乗りました。 心臓の3分の2は停止していたそうです。 ※ 今から7年前の事を書きます。 私はフィールドエ…
山形・天童で将棋駒を彫る父が、三歳半の息子に初めて「とおしゃん」と呼ばれた朝の話です。妻は入院中の毎晩、おなかの子に三文字だけを教え、七年かけて二十三枚の歩兵を…
俺には、嫁がいない。 正確に言えば、嫁はいたのだが、病気で先立ってしまった。 ただ、俺には10歳の娘がいる。 娘は本当にヤンチャで、しょっちゅうケンカして帰って…
妻がいなくなって二日目の夜、私は台所の付箋を数えた。十一枚あり、どれも右下の角が小さく折ってあった。剥がす人のことを考えて貼る人だったのだ。三日目の朝、出汁パッ…
「いっぱいの幸せをありがとう。 私は幸せ者だ。 だって最期にあなたの顔を見られたから。 これも日頃の何とやらなのかな?」 病室のベッドで手を握りながら彼女は言う…
俺だけしか泣けないかもしれませんが。 この間、仕事から帰ると妻が一人掛けの椅子に腰かけて眠っていました。 そんなはずは無いと解っていても、声を掛けられずにはいら…
昔話になるが、15歳の時に親父が畑や山に通うのに使うスーパーカブを無免で持ち出し、親父に顔の形が変わるほどぶん殴られて以来のバイク好きだった。 カブから始まり、…
結婚して子供が出来て、ホカホカした食卓にみんな笑顔で並んでたりして、時々泣きそうなほどの幸せを噛み締める。 荒みじんの玉葱が入ったでっかいハンバーグや、大皿一杯…