タグ: 泣ける話

一巻き目を教えなかった人

三重・尾鷲の港町にある椅子六脚の定食屋つばめ食堂。七十八歳のおかみさんは、だし巻きを焼くとき一巻き目だけ菜箸を右から左へ持ち替えます。半世紀のあいだ誰にも教えな…

藍に染まった手

初めての給料で両親を食事に招いた、新米保育士の私。藍染職人の父は終始不機嫌で、二十年の苦労は晩飯一回で帳消しにはならないと言い放ちました。盃を支える青く染まった…

父の柄杓に残る十八の刻み

半年家を空ける岩手の南部杜氏の父と、そのたびに父の顔を忘れてしまう娘の泣ける話です。蔵へ持って出た柄杓の柄に刻まれた十八の刻みと、いちばん上の一本だけがなぜ深い…