特攻隊員の方の手紙

公開日: 悲しい話 | 戦時中の話

椅子と聖書(フリー写真)

お母さん、とうとう悲しい便りを出さねばならない時が来ました。

晴れて特攻隊員に選ばれ出陣するのは嬉しいですが、お母さんのことを思うと泣けて来ます。

母チャン、母チャンが 私を頼みに必死で育ててくれたことを思うと、何も喜ばせることが出来ずに、安心させることも出来ずに、死んでゆくのが辛いです。

母チャンが私にこうせよと言われたことに反対して、とうとうここまで来てしまいました。

私として希望通りで嬉しいと思いたいのですが、母チャンの言われるようにした方が良かったかなあと思います。

でも私は技倆抜群として選ばれたのですから喜んでください。

私ぐらいの飛行時間で第一線に出るなんて、本当は出来ないのです。

ともすれば、母チャンの傍に帰りたいという考えに誘われるのですけれど、これはいけないことなのです。

洗礼を受けた時、アメリカの弾に当たって死ぬより前に、汝を救うものの御手によりて殺すのだと言われましたが、これを私は思い出しております。

全てが神様の御手にあるのです。

神様の下にある私たちには、この世の生死は問題になりませんね。

私はこの頃、毎日聖書を読んでいます。

お母さんの近くにいる気持ちがするからです。

私は聖書と賛美歌を飛行機に積んで突っ込みます。

お母さんに祈って突っ込みます。

出撃前日

野球のボール(フリー写真)

尊敬する先輩

俺は高校三年生で、野球部を引退したばかりです。 世界で一番尊敬する先輩が居ました。 野球は本当に下手で、一度も打席に立たせてもらった事がありませんでした。 それでも毎…

沖縄の夕暮れ(フリー写真)

立派な将校さん

戦時中の沖縄での事です。 当時12歳だった叔父さんは、自然の洞穴を利用して作られた壕の中に居た。 他の住民や、部隊からはぐれた大怪我を負った兵隊たちも隠れていた。 息…

母の手を握る赤子(フリー写真)

母の想い

彼は幼い頃に母親を亡くし、父親と祖母と暮らしていました。 17歳の時、急性骨髄性白血病にかかってしまい、本人すら死を覚悟していましたが、骨髄移植のドナーが運良く見つかり死の淵から…

夕焼け(フリー写真)

少年との約束

俺が入院していた時、隣の小児科病棟に5歳くらいの白血病の男の子が入院していた。 生まれてから一度も外に出られていない子だと聞いた。 ※ ある日、大声で泣く声がするので病室を覗…

手を繋ぐカップル(フリー写真)

最初で最後のキス

私が小学生の頃、初めて人を好きになりました。 上級生だったのですが、誰にでも分け隔てなく優しい人で、誰もが彼を好いていました。 そんな彼がどういう訳か、地味な私を好きになっ…

インドネシアの朝焼け(フリー写真)

インドネシア建国の神話

1602年、オランダはジャワ島に東インド会社を設立し、植民地経営を始めました。 首都のジャヤカルタはバタヴィアに改称され、以降350年間に渡って、オランダは東ティモール以外の領…

飛行機雲(フリー写真)

きっと天国では

二十歳でヨーロッパに旅をした時の実話をいっちょう。 ルフトハンザの国内線に乗ってフランクフルト上空に居た時、隣に座っていたアメリカ人のじい様に話し掛けられた。 日本は良い国…

黒猫(フリー写真)

黒猫の赤ちゃん

小学校の時、裏門の所に小さな黒猫の赤ちゃんが捨てられていた。 両目とも膿でくっついていて、見えていない様子。 どうしても無視できなくて家へ持って帰ったら、やはり飼っては駄目…

恋人同士(フリー写真)

彼女のために出来ること

まだ一年程前の事です。 彼女がこの世を去りました。病死です。 その彼女と出会ったのは7年前でした。彼女はその頃、大学1年生でした。 彼女には持病があり、 「あと…

空(フリー写真)

日航機墜落事故

この事故は、単独事故としては世界で一番大きな事故。 乗客は524人。生存者はたったの4人。 飛行機の横に付いている翼は宙に浮くため、上にある翼は方向を決めるためにある。 …