見落とされた優しさ
私は昔から何事にも無関心で無愛想でした。友達は少なく、恋愛経験もほとんどありませんでした。偽りの笑顔やうそをついて生きる日々は、いじめの対象になることもありました。
中学1年のとき、好きでもない彼氏と付き合い始めました。高校では新しい環境を選びましたが、小さい頃の噂が届き、またいじめが始まりました。しかし、次第に周りの態度が変わり、いじめはなくなりました。
そんなある日、隣の家に住む幼馴染が学校の階段から落ちて入院しました。彼はいつも笑っていましたが、顔には殴られたような痣がありました。
母から幼馴染と一緒に登校するよう頼まれましたが、彼氏との日課があり、断りました。その後、彼氏に振られ、悲しみに暮れていると、幼馴染がそばにいてくれました。彼は私を守ってくれたのです。
ある日、私が振られたことを知った幼馴染に、
「僕はずっとリンカのことを見ていた。だから、僕と付き合おう」
と告白されました。私は彼の優しさに気付き、彼と付き合うことにしました。
しかし、彼はある日、苛められたことで体を壊し、学校を辞め、入院することになりました。私は再びいじめに遭い、その理由が幼馴染の助けだったことを知りました。
その後、毎日彼のもとを訪れ、私たちは互いに支え合いました。彼が私に教えてくれたことは、大切なものに気付くのは遅くても、その後で変えることができるということでした。
8年後、私たちは愛らしい娘と一緒に幸せに暮らしています。夫そっくりの彼女を見るたび、笑い合える今がとても嬉しいです。