とうちゃんの卵焼き
この前、息子の通う保育園で遠足があった。
弁当持参だったのだが、嫁が出産のため入院していたため、俺が作ることになった。
飯を炊くくらいしかしたことがないのに、弁当なんて無理!
それでも嫁にアドバイスを貰ったり、弁当の本を買ったりして、朝5時から弁当作りをした。
そして案の定、不細工な弁当が出来上がった。
申し訳ないと思いながらも、そのまま息子に持たせた。
※
夕方、子供を迎えに行くと、空になった弁当箱と手紙を渡された。
字は書けないはずなのに、
「とうちゃんありがとう」
と、俺の似顔絵付きで書いてあった。
先生が言うには、午後の外遊びの時間に教室に篭って、手紙をずっと書いていたんだと。
※
帰りの車中で、
「何か食べに行こうか?」
と尋ねると、
「とうちゃんの卵焼き食べたい!」
と息子が言った。
涙を堪えるのに必死だったよ。