ディズニーランドの星
ある日、ディズニーランドのインフォメーションに、一人の男性が暗い顔でやって来ました。 「あの…落とし物をしてしまって」 「どういったものでしょうか?」 「サイン…
子供の言葉は、まっすぐで、予想もしないところを突いてきます。子供にまつわる泣ける話には、純粋さと愛情と、親としての涙があります。子育て中の方にも、子供だったあなたにも、ぜひ読んでほしい短編です。
ある日、ディズニーランドのインフォメーションに、一人の男性が暗い顔でやって来ました。 「あの…落とし物をしてしまって」 「どういったものでしょうか?」 「サイン…
この前、娘が大学受けたんですよ、初めてね。 で、生まれて初めて娘の合格発表を迎えた訳ですわ。正直、最初は合格発表を見に行った娘の電話を待つのなんて簡単だと思って…
この前、一人娘が嫁に行った。 目に入れても痛くないと断言出来る一人娘が嫁に行った。 結婚式で、 「お父さん、今までありがとう。大好きです」 と言われた。 相手側…
秋田・大館の曲げわっぱ工房で、妻は樺縫いの最後のひと針だけを、毎晩かならず翌朝へ残していました。妻を失った冬、四つになる娘の一言と、老いた職人の静かな証言が、そ…
宮城の白石で温麺を作る小さな工場の二代目です。娘のバイオリンを巡って女房と喧嘩した翌日、小学二年の娘が封入作業の求人へ自分で電話をかけていたと知りました。毎晩、…
妻の入院中、北海道十勝の酪農家である私が、息子の遠足の弁当を作ることになりました。牛乳を入れすぎて崩れた卵焼きと、まだ字の書けない四歳が渡してくれた一枚の手紙。…
妻の連れ子だった娘を、鬼瓦を彫る職人の私は十二年かけて育てました。血の繋がらない父娘に向けられた世間の冷たい目、そして結婚式で娘が静かに明かした「鬼の裏に彫られ…
尾道の坂下の小さなパン屋に毎週日曜、若い父と三歳の男の子が来る。注文はクリームパンと『おかーちゃんのぶん』。眠り続ける母への贈り物と思われたパンに隠された、三歳…
四つになった娘が、ある日ぱったり泣かなくなりました。ばあばと約束したのだと言います。提灯屋の父が祭りの夜にようやく知った、枕元の小さな灯りの意味。湖北の雪深い宿…
四歳の私に母は「日曜日かな」と言い残して出て行きました。筑豊の炭住で玄関を見つめ続けた三十年、物干しの黄色い洗濯ばさみだけがなぜ褪せなかったのか。祖母の手帳と五…
雪深い温泉町で、十九歳の私は独りで娘を育てていました。玄関の履物をいつもそろえてくれた咲。あの子が遺した小さな習慣の本当の意味に私が気づいたのは、何年もあとのこ…
掃除機のスイッチを入れても、足元で吠える声がしない朝。ミルクの匂いの子犬から白い毛の老犬になるまで、柴犬のむぎと過ごした十二年と、十五歳の息子が差し出した「お掃…
長い不妊の時を越えて、ようやく授かった我が子へ、父が静かに綴った一通の手紙です。つわりに耐えた母、陣痛の朝、生まれた瞬間に泣いた家族。君は生まれてきただけで価値…
妻を病で亡くし、四歳の息子と二人になった父。ある日、息子が急に「ひらがなを教えて」と言い出します。その理由を保育園の先生から電話で聞かされたとき、父は台所の床に…
七歳の息子がサンタさんへの手紙に書いたのは、おもちゃではなく『お父さんの咳が止まるお薬』でした。重い病を抱えた夫と、偽りの薬に込めた親の祈り。クリスマスの朝に交…