震災に関する話

わずか1.5メートルの後悔

私と倫子は、二十一歳の若さで愛の意地を張り合ってしまった。その日、些細なことから生まれた言い争いは、私のわがままから始まっていた。 普段は隣り合わせの安らぎ…

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再建の約束

太陽の光がほんのりと残骸の上を照らしていた。災害により変わり果てた風景の中、一つの臨時の避難所が静かな緊張感を持っていた。 「若者の代表として、一つだけ言い…

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震災を生き抜く少年の記録

「お父さんが軽トラで帰っていった姿を見ました。津波にのみ込まれませんように」と祈っていました。 巨大地震と大津波が東日本を襲ったあの日、子供たちは何を見、そ…

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大切な親友との約束

小学4年生の時、俺はマンションで友達と遊んでいた。 ミニ四駆が流行っていた頃だ。 いつも騒いでいた俺たちは、管理人さんに怒られたものだ。 俺は改造が下手で遅…

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勇気をくれた少年

| 震災に関する話

5年前、15歳の春。 私が訪れたのは、宮城県気仙沼市、震災から4年後のことだった。 少しずつ復興が進み、新しい建物が建っているところもある。 そんな光景を見…

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色褪せたミニ四駆

小学4年生の時の1月15日、連休最初の日だったかな。 いつものメンバー5人で、俺の住んでいたマンションで遊んでいた。 当時はミニ四駆を廊下で走らせ、騒いでは…

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救助活動

東日本大震災。 辺りは酷い有り様だった。 鳥居の様に積み重なった車、田んぼに浮く漁船。 一階部分は瓦礫で隙間無く埋め尽くされ、道路さえまともに走れない。 明…

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少女からの手紙

| 震災に関する話

石井三曹に封筒を渡した少女は、名前も告げずに走り去って行った。 少女は、母親と思しき女性の運転する車でやって来て、偶然近くを歩いていた石井三曹に手紙一通を渡…

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一番大切な人

当時21歳の私と倫子は、その日ちょっとしたことで喧嘩をしてしまった。 明らかに私が悪い理由で。 普段なら隣同士で寝るのに、この日は一つの部屋で少し離れて寝た…

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命懸けの呼び掛け

宮城県南三陸町で、震災発生の際に住民へ避難を呼び掛け、多くの命を救った防災無線の音声が完全な形で残っていることが判りました。 亡くなられた町職員の遠藤未希さ…

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