出口に近いほうの席に座る父
靴箱の上の火防せのお守りは、私が消防士になった年からそこにあった。倒れた父の病室で声をかけてきた元同僚の一言と、物置の菓子缶に納められないまま溜まっていた十四体…
続きを読む:出口に近いほうの席に座る父靴箱の上の火防せのお守りは、私が消防士になった年からそこにあった。倒れた父の病室で声をかけてきた元同僚の一言と、物置の菓子缶に納められないまま溜まっていた十四体…
続きを読む:出口に近いほうの席に座る父薬剤師になった孫を認めなかった港町の祖父が、認知症になってから針と糸で縫い込んだ藍色のお守り。切れた紐から落ちた一枚の紙に、七年越しの「ゆるしてくれ」が書かれて…
続きを読む:藍色のお守りに縫い込まれた許し写真家として旅を続ける俺のもとに、幼馴染・亜季の母から荷物が届いた。中には一冊の日記と、俺が湖畔に落としたあの眼鏡が——。涙が止まらない感動の短編。…
続きを読む:幼馴染の日記と壊れた眼鏡調律師の保坂慎二は、妻の美和が残した未完のマフラーの紙袋を、三年ぶりに押し入れから下ろした。三年のあいだ開けられなかった袋の底の小さなノートには、編み図と最後の…
続きを読む:未完のマフラーと妻のノート下町の工務店で逝った兄の遺品から見つかった手帳の走り書き。古いスマートフォンに残された27件のボイスメモに、介護士の妹に伝えられなかった言葉が静かに残されていた…
続きを読む:兄の手帳と声閉店した花屋の棚の裏から見つかった一枚の写真。元恋人が二十年前にそっと置いていった、声にならなかった想いの手紙。商店街の花屋を畳んだ男が気づいた、あの日の嘘と赦…
続きを読む:枯れない花束タクシー運転手の息子が母の団地で見つけた千を超える折り鶴。翼の裏に書かれた一行の日記が、忙しさを言い訳に疎遠にしていた日々を静かに照らす。母の愛に涙する感動の物…
続きを読む:母の朝の日課本土から三百キロ離れた島で灯台の保守をしている俺は、赴任の日に祖母から白いカセットを一本渡された。再生する機械を持たないまま四年が過ぎ、祖母は嵐の夜に逝った。葬…
続きを読む:嵐の夜の白いカセット山間の村の郵便局員となった私は、毎朝、疎遠だった祖母の家に郵便を届けていた。祖母が静かに逝ったあと、押し入れの木箱から見つかった三十五枚の絵はがきと、お互いに言…
続きを読む:絵はがきに届いていた祖母の気持ち長崎の実家で見つかった父の財布の中の一本の鍵。倉庫の古い錠前に合った鍵の先で、達也は未完成の本棚と、病を隠して棚を作り続けた父の手帳、そして幼い日の読み聞かせの…
続きを読む:父の残した一本の鍵四十一歳で逝った兄が遺したハーモニカ。紙片に書かれたURLを開くと、そこには兄の声が——病気を隠し続けた理由と、最後の約束が込められた感動の短編。…
続きを読む:兄の遺したハーモニカに吹き込まれていたもの港町の祖母の家には、三時十分を指したまま動かない止まった柱時計があった。二万八千円の修理を断った祖母が代わりに買ったのは、千円の真鍮の音叉が一本だけ。調律師にな…
続きを読む:止まった柱時計は待っていた漁師の無口な養父は、褒め言葉も励ましも一度も口にしない人でした。葬儀のあと押し入れの奥から出てきたノートと万年筆、そして土間にしまわれていた潮のかからない一足の…
続きを読む:潮をかぶらない靴が一足だけあったラクリマを応援する
読んでいただけるだけで、十分に励みになります。
当サイトは個人で運営しており、いただいたご支援はサーバー代やドメインの維持費に大切に使わせていただきます。
¥240 の一度きりのお支払いで応援いただけます。
お礼として、以後ずっと広告を非表示にいたします(継続課金はありません)。
ブラウザを変えた・Cookieを削除した場合は、登録のメールアドレスを入力してください。