店長さんの嘘

公開日: 心温まる話

コーヒーのドリップ(フリー写真)

俺がまだ受験生だった頃の話。

当時、塾の自習室にはどうにも居辛くて、自習室代わりによく利用している喫茶店があった。

普段は20時前には自習室に戻っていたんだけど、そこの店長さんとふとした切っ掛けから仲良くなって、閉店ぎりぎりの21時まで居るようになった。

ある時、店長さんが

「あたしん家は近くだから、閉店後も居ていいよ」

と言ってくれた。

そこの居心地も良かったし、お言葉に甘えて22時、酷い時には23時くらいまでそこで勉強させてもらった。

遅くなった時は、夜食を作ってくれたりもしたな。

受験が終わって報告に行くと、その店長さんは自分のことのように喜んでくれた。

これは受験が終わった後、そこのバイトの子から聞いた話なんだけど、店長さんの家は凄く遠くにあるらしい。

電車四つとバス二つを乗り継いで、2時間以上掛かるらしい。

ということは店長さん、毎日帰りは午前1時過ぎだったことになる。

おまけにそんな生活を、赤の他人の俺のために3ヶ月以上も続けてくれたことになる。

その事実を知った時、俺は不覚にも泣きそうになった。

大変なはずなのに店長さん、いつも笑いながら俺のことを見守ってくれてたっけ。

受験というのは意外なところで意外な人達に支えられているものだなと、つくづく思った。

店長さん、本当にありがとう。

あなたがあの店に居なかったら、今の自分は居ません。

バイク(フリー写真)

最高の子供達

昔話になるが、15歳の時に親父が畑や山に通うのに使うスーパーカブを無免で持ち出し、親父に顔の形が変わるほどぶん殴られて以来のバイク好きだった。 カブから始まり、モンキー、FX、C…

公衆電話(フリー写真)

十円玉の価値

この話は実話で、私はこの話を読む度に『価値観』や『解釈』は人によって違うことを深く感じます。 ※ その子は、生まれながら知的障害者でした。 幼稚園は近所の子供たちと一緒に通っ…

浜辺の母娘(フリー写真)

天国へ持って行きたい記憶

『ワンダフルライフ』という映画を知っていますか? 自分が死んだ時にたった一つ、天国に持って行ける記憶を選ぶ、という内容の映画です。 高校生の頃にこの映画を観て、何の気無しに…

蛍(フリー写真)

蛍は亡くなった人の魂

祖父が死んで、もう12年になる。 幼い頃から、 「蛍は亡くなった人の魂だから、粗末に扱うな」 と祖父に教えられてきた。 ※ 去年の8月15日の夜、父と俺とで家族総…

菜の花畑(フリー写真)

本当の豊かさ

中国のとある大富豪の男性が、自分の息子を田舎の土地に送りました。 裕福な生活を当たり前と思っている息子に、一度『貧しさ』というものを体験してもらい、自分たちの生活がどれだけ幸せな…

野球ボール(フリー写真)

少年への優しい嘘

アメリカのとある地方に、野球観戦の大好きな、でも目の見えない少年が居ました。 少年は大リーグ屈指のスラッガーである選手に憧れています。 ※ 少年はその選手へファンレターを綴り…

渋滞(フリー写真)

迷彩服のヒーロー

一昨年の夏、私は5歳の息子を連れて、家から車で1時間の所にある自然博物館の昆虫展へ向かっていました。ムシキングの影響で、息子はとても楽しみにしていました。 あと数キロと言う地点で…

星空(フリー写真)

一生懸命に生きて

私は昨日、小学4年生の子から手紙で相談を受けました。 『僕のお母さんに元気になって欲しくて、プレゼントをあげたいんだけど、僕のお小遣いは329円しかありません。この値段で買えて、…

海を眺める男の子(フリー写真)

ぽっけ

「このぽっけ、すごいねんで!!(`・ω・´)三3ムフー!!」 そう言って幼稚園の制服のポケットをパンパン叩いていた友達Aの息子。 ポケットにはハンカチ、ティッシュ、お菓子、…

放課後の教室

恩師の愛情

私は高校2年生の時にうつ病になった。 切っ掛けは、2年半付き合った彼氏に振られたことと、友達から仲間はずれにされるようになったことだと思う。 毎日、泣いていた。 プ…