直立不動の敬礼

自衛隊員の方々(フリー写真)

2年前、旅行先での駐屯地祭での事。

例によって変な団体が来て、私は嫌な気分になっていた。

するとその集団に向かって、一人の女子高生とおぼしき少女が向かって行く。

少女「あんたら地元の人間か?」

団体「私達は全国から集まった市民団体で…云々」

少女「で、何しに来たんや?」

団体「憲法違反である自衛隊賛美に繋がる…云々」

少女「私は神戸の人間や。はるばる電車に乗って何しにここまで来たか解るか?」

団体「…?」

少女「地震で埋もれた家族を助けてくれたのは、ここの部隊の人や。

寒い中ご飯を作ってくれて、風呂も沸かしてくれて、夜は夜で槍を持ってパトロールしてくれたのも、ここの部隊の人や。

私は、その人達にお礼を言いに来たんや。

あんたらに解るか?

消防車が来ても通り過ぎるだけの絶望感が。

でもここの人らは歩いて来てくれはったんや…」

最初、怒鳴り散らすように話し始めた少女の声は、次第に涙声に変わって行った。

あまりにも印象的だったので、今でもはっきり憶えている。

団体は撤退。

彼女が門をくぐった時、守衛さんが彼女に社交辞令の軽い敬礼ではなく、直立不動のまま敬礼していた。

お茶碗(フリー写真)

テーブルのお皿

私と淳子は、結婚して社宅で暮らし始めました。 台所には四人がやっと座れる小さなテーブルを置き、そこにピカピカの二枚のお皿が並びます。 新しい生活が始まることを感じました。 …

チョコレート(フリー写真)

チョコをくれたお姉さん

少し嬉しかった話。 去年の冬、高校受験もラストスパートの時の話。 中学の成績はなかなかだったから、志望校は進学校にした。 しかし中学3年生になってから全然成績が上がら…

カップル(フリー写真)

僕はずっと傍に居るよ

私は昔から、何事にも無関心で無愛想でした。 友達は片手で数えるほどしか居らず、恋愛なんて生まれてこの方、二回しか経験がありません。 しかし無愛想・無関心ではやって行けないご…

薔薇の花(フリー写真)

せかいでいちばんのしあわせ

私が幼稚園の時に亡くなったお母さん。 当時、ひらがなを覚えたての私が読めるように、ひらがなだけで書かれた手紙を遺してくれた。 ※ みいちゃんが おかあさんのおなかにやってきて…

彼女(フリー写真)

忘れられない暗証番号

元号が昭和から平成に変わろうとしていた頃の話です。 当時、私は二十代半ば。彼女も同じ年でした。 いよいよ付き合おうかという時期に、彼女から私に泣きながらの電話…。 「…

通帳(フリー写真)

ばあちゃんの封筒

糖尿病を患っていて、目が見えなかったばあちゃん。 一番家が近くて、よく遊びに来る私を随分可愛がってくれた。 思えば、小さい頃の記憶は、殆どばあちゃんと一緒に居た気がする(母…

教室(フリー写真)

虐めから守ってくれた兄

中学生の頃、学校で虐めに遭っていた。 教室に入る勇気が無く、いつも保険室に通っていた。 虐めの事は家族にも言っていない。 ただ私の我儘で保険室に通っているだけ。そんな…

日記帳(フリー写真)

天国の恩人

私はキャバクラ嬢でした。 家がとても貧乏で、夜に働きながら大学へ行きました。 そんな私の初めてのお客様。 Yさん、70歳のお爺ちゃんです。 彼はとても口下手で、…

白猫(フリー写真)

猫の導き

小学生の頃、親戚の家に遊びに行ったら、痩せてガリガリの子猫が庭にいた。 両親にせがんで家に連れて帰り、その猫を飼う事になった。思い切り可愛がった。 猫は太って元気になり、…

お見舞いの花(フリー写真)

父の唯一の楽しみ

私の家系は少し複雑な家庭で、父と母は離婚して別々に暮らしています。 私は三姉妹の末っ子で、父に会いに行くのも私だけでした。 姉二人なんて、父と十年近く会っていません。 ※…