公園での約束
芸人の江頭さんが公園でロケをしている時、隣の病院から来た車椅子の女の子がその様子を眺めていました。ロケが終わると、女の子は「つまらねーの」と小声で呟きました。
江頭さんが聞き返すと、「だって全然面白くないんだもん」と女の子は再び言いました。それを聞いた江頭さんは、「なら、お前が笑うまで毎日ここでネタを見せてやろうか」と宣言しました。
江頭さんは約束どおり、毎日仕事の合間を縫っては公園に現れ、女の子にネタを披露し続けましたが、女の子を笑わせることはできませんでした。
約一ヶ月後、毎日のように公園に来ていた女の子が突然姿を消しました。心配になった江頭さんは、一週間ぶりに公園に現れた女の子にいつものようにネタを見せたところ、女の子は初めて少し笑いました。
日が暮れると、江頭さんは「また、明日も来るから、ちゃんと待ってろよ」と言いましたが、女の子は「勝手に来れば!!」と応じました。
翌日、女の子は公園に来ませんでした。心配した江頭さんは病院へ行き、女の子が容体が悪化し昏睡状態で別の病院に移されたことを知りました。看護婦から渡された日記には「大好きな芸人、江頭」と記されていました。
十年が経った今でも、江頭さんは月に一度その公園を訪れ、女の子のために花を手向けながら一人でネタを披露しています。