キャンドルに懸けた想い
僕は24歳の時、当時勤めていた会社を退職して独立しました。 会社の駐車場で寝泊まりし、お子さんの寝顔以外は殆ど見ることが無いと言う上司の姿に、未来の自分の姿を重…
じっくり読みたい方のために、長編の泣ける話を集めました。短編では描ききれない人物の背景、感情の重なり、時間の経過——読了後に深い余韻が残る、長編の感動する話をお届けします。
僕は24歳の時、当時勤めていた会社を退職して独立しました。 会社の駐車場で寝泊まりし、お子さんの寝顔以外は殆ど見ることが無いと言う上司の姿に、未来の自分の姿を重…
伊万里の坂の下で毎朝遅刻していた中学生は、私の部屋に来るたび畳の毛を手のひらで集めて帰りました。一年後に学園から戻ってきたその子の鞄から出てきた白い封筒が、その…
彼とは中学校からの付き合いでした。 中学校の頃から素直で、趣味などでも一つのことをとことん追求するような奴でした。 中学、高校、大学と一緒の学校に通い、親友と呼…
俺が小学3年生の夏休みの話。 今の今までマジで忘れていた。 小学校の夏休みとか、遊びまくった覚えしかない。 俺は近所の男子と夏休み中、開放されていた学校の校庭で…
話は遡ること3年前。 桜が開花し始めた頃、俺は自殺を考えていた。 大した理由ではないが、失恋、借金や勤めていた会社が倒産した事が重なり、全てに失望していた。 コ…
「ゆきをとってきて…おねがい、ゆきがみたい…」 あなたはそう言って、雪をほしがりましたね。 季節外れの雪を。 ※ あれから何年も時が経ちました。 あなたは、ゆっ…
俺と嫁は、高校の時からの付き合いだった。 付き合った切っ掛けは、同じ委員会に所属したこと。 高校の文化祭で、俺と嫁は同じ仕事をした。 準備から事後まで、約一ヶ月…
小学校の時、虐められていた。 消しゴムを勝手に使われたので怒ったら、相手が学年のボス格の女子。 それ以来、クラスから無視された。 それが中学に入っても変わらず、…
耳の聞こえない私の手話には、左右が入れ替わる癖がある。教わった父が、図書館の本と洗面所の鏡だけで覚えたからだ。鏡の前の手話しか知らなかった父の三年間を、私は十七…
実家のアルバムは中学二年の夏で写真が途切れ、そこから先は白いままの台紙だった。二十三の私を写真館に連れて行き、赤に黒の振袖を撮らせた母が「私の宝物」と呼んだもの…
自分は三人兄弟の真ん中として、どこにでもある中流家庭で育ちました。 父はかなり堅い会社のサラリーマンで、性格も真面目一筋。それは厳格で厳しい父親でした。 母は元…
家にはもう十年飼っていた猫が居たんだ。 家の前は昔、大きな広場で、その猫はその広場の片隅にある車の中で寝ていた子猫だった。 俺と姉ちゃんでその猫を家の庭まで連れ…
ファミレスで仕事をしていると、隣のテーブルに親子が座ったんです。 妙に若作りしている茶髪のお母さんと、中学一年生くらいの兄、そして小学校低学年くらいの妹です。 …
兄が6歳、私が2歳の頃に両親が離婚した。 私にその当時の記憶は殆ど無く、お父さんが居ないことを気にした覚えもありませんでした。 小学生に上がる頃に母が再婚し、義…
無愛想で友だちの少なかった私を、電車で四十分かかる高校にまで、中学の頃の噂といじめが追いかけてきた。なぜか半年でそれが消えていった頃、心臓の弱い隣の家のジュンが…