ミスドで聞こえた小さな願い
日曜の昼下がり、久しぶりにミスドへ寄ったときのことだ。 ※ 注文を済ませ席につくと、背中越しのすぐ後ろに、若い父親と三歳くらいの男の子が座った。くりくりの目が印…
日曜の昼下がり、久しぶりにミスドへ寄ったときのことだ。 ※ 注文を済ませ席につくと、背中越しのすぐ後ろに、若い父親と三歳くらいの男の子が座った。くりくりの目が印…
昨日、恋人が死んだ。 長い闘病の末、静かに息を引き取った。 通夜が終わり、病院に残っていた荷物を取りに行った時、その中に、俺宛ての手紙が入っていた。 白い封筒。…
ある日、おふくろから一本の電話があった。 「お父さんが……死んでたって」 死んだ、じゃなくて――“死んでた”? 電話の向こうの母の声は、静かで現実味がなかった。…
文章に自信はないけれど、少しだけ私の話を聞いてください。 二十四歳のとき、私は人生のどん底にいました。 六年付き合い、婚約までしていた彼に裏切られたのです。相手…
母が家を出ていったのは、小学一年の秋のことだった。 男を作って去っていった母の背中を、幼い俺はただ呆然と見送るしかなかった。 その日から、父の作る不器用な料理で…
母が24歳、父が26歳の時、僕は6歳で両親の離婚を経験した。 母は若くして妊娠し、生まれた僕は望まれた存在ではなかった。 母には別の男が、父には別の女がいて、二…
実家の猫は、赤ん坊の頃に空き地で見つけられた。 その小さな体は目も潰れて放置され、声を限りに泣き叫んでいた。 あまりに悲惨な姿に、最初は正直、触ることすら躊躇っ…
彼女とは、バイト先で出会った。 年上の彼女は、入った時からどこか気になる存在だった。 「付き合ってる人は居ないの?」 「居ないよ…彼氏は欲しいんだけど」 「じゃ…
中学2年生の夏から、私は病気で一年間も入院しました。 退院して間もなく高校受験があり、高校生になると下宿生活が始まりました。 高校を卒業して就職し、田舎を飛び出…
十数年前、妻が突然この世を去った。 赴任先の地方都市で、知り合いもいない土地。 最期の最期まで、彼女は三歳の娘のことを心配し、俺に「ごめんね」と謝り続けながら、…
もう数年前のことになります。 私が小学5年生の時、我が家に一匹のラブラドールがやってきました。 母がその子に名付けた名前は「サーブ」。 大きな瞳でこちらをじっと…
彼女がこの世を去りました。病死でした。 彼女と出会ったのは、もう七年ほど前のこと。当時、彼女は大学一年生で、私は社会人。 持病があり、彼女は寂しそうに笑いながら…
年下の彼氏がいた。 私が三十歳で、彼は二十二歳。 大学生だった彼は、社会人の私にどこか遠慮があるようで、付き合って三年が経っても、将来の話なんて一度もしたことが…
大好きなあなたは、今も笑っているのでしょうか。 ※ 私が7歳のとき。なぜか実の親元ではなく、おじいちゃんに引き取られました。 そこで出会ったのは、三人の男の子。…
人は、別れの瞬間に何を遺し、何を抱えて生きていくのだろうか。あの日の葬儀で、私はその答えの一つを娘から教えられた。 ※ 妻が亡くなる少し前のこと。 闘病中の妻は…