お母さんが居ないということ
先日、二十歳になった日の出来事です。 「一日でいいからうちに帰って来い」 東京に住む父にそう言われ、私は『就職活動中なのに…』と思いながら、しぶしぶ帰りました。…
胸が締め付けられるような、あの感覚。泣けるほど悲しいわけではないのに、なぜか心のどこかに引っかかって残る話があります。後悔、別れ、言えなかった言葉。切なさの中にこそ、人が生きる美しさがある——そんな短編をまとめました。
先日、二十歳になった日の出来事です。 「一日でいいからうちに帰って来い」 東京に住む父にそう言われ、私は『就職活動中なのに…』と思いながら、しぶしぶ帰りました。…
僕は幼い頃から病弱で、いつも何かしらの病気にか罹っていた。 例えば、喘息、熱、インフルエンザなど。 そのような時はいつも診療所の先生に診ていただいていた。 その…
私が中学校1年生の時の話である。 私は思春期や反抗期の真っ只中ということもあり、少しばかりやんちゃをしていた。 不法侵入をしたり、深夜まで遊んでいたこともあり、…
私が幼稚園、年少から年長頃の話である。 私には母と父が居り、3人暮らしであった。 今でも記憶にある、3人でのお風呂が幸せな家族の思い出であった。 父との思い出に…
ある書道の時間のことです。 教壇から見ていると、筆の持ち方がおかしい女子生徒が居ました。 傍に寄って「その持ち方は違うよ」と言おうとした私は、咄嗟にその言葉を呑…
高校二年の終わり、図書館で偶然隣に座った君に、僕は一目惚れをした。 僕はそれから学校が終わると駆け足で図書館に通い、いつも君を事を探していた。 勇気を出して話し…
今日、息子が俺の事を「とおしゃん」と呼んだ。 成長が遅れ気味かもしれないと言われていた子で、言葉も覚えるのも遅かったから、あまりの嬉しさに涙が出た。 「嫁か息子…
うちの母が作るミートソースは、とても美味かった。 家族全員の大好物だった。 でもそのレシピを聞かないうちに、母は急性白血病で亡くなった。 亡くなって数年が経った…
母は、強い人だった。 父が前立腺癌だと判った時も、入院が決まった時も、葬式の準備の時も、私たち子どもの前で一度も泣かなかった。 だからなのか、当時私はまるで映画…
妻が亡くなる前、闘病の際に「私が死んでも泣かないで」と娘二人は言われていました。 それから数日後、妻は息を引き取りました。 通夜の晩は私が会場で妻に付き添うこと…
妻を亡くした父が、お通夜の夜にひとり綴った一通の手紙です。残された高校生の娘が、亡き妻とそっくりの声で口にした六文字とは何だったのか。家族の合言葉が静かに受け継…
もう5年も前の話かな。 人前では殆ど泣いたことのない俺が、生涯で一番泣いたのはお袋が死んだ時だった。 お袋は元々ちょっと頭が弱く、よく家族を困らせていた。 思春…
ガンダム芸人の若井おさむさん。 彼は幼い頃から日常的に、兄と母親から相当な虐待を受けていました。 それは彼が20代前半の頃までずっと続きました。 それに耐えかね…
大正生まれの祖父は、妻である祖母が認知症になってもたった一人で介護をし、祖母が亡くなって暫くは一人で暮らしていた。 私が12歳の時に、祖父は我が家で同居すること…
7ヶ月前、妻が他界して初めての娘の4歳の誕生日。 今日は休みを取って、朝から娘と二人、妻の墓参りに出掛けて来た。 妻の死後はあんなに、 「ママにあいたい」 「マ…