タグ: 初恋

六十年分の桜のしおり

能登の縁側に、横浜から見知らぬ封筒が届いた。差出人は、十五の夏に桜のしおりを手渡した少年の娘だった。世界中の港の本に一枚ずつ挟まれた和紙と、朱色の組紐の結び目。…

十七年後のボタン

十七年前、文化祭で落としたカーディガンのボタン。拾ってくれた隣の席の彼は、返さないまま卒業した。薬剤師になった私の前に、あの日のボタンが届くまでの物語。…

二十六年聴かなかったCD

中学一年で図書委員だった彼が、転校の前日に真っ白なCDを黙って渡してきました。怖くて二十六年しまい込んだその一枚を再生した日、図書館の貸出カードの一つ上の欄が意…

彼からの手紙

潮の匂いのする小さな港町で育った幼なじみの彼に、私はずっと片想いをしていました。旅立ちの前夜に告白するはずだった日、彼は事故で逝きました。三年間どうしても開けな…