姥捨て山

公開日: 悲しい話

山(フリー写真)

『姥捨て山』の話を聞いた事はありますか?

年老いた親を、子供が背負って山に捨てるという話です。

大昔、貧しさから本当にそのような風習があったそうです。

そしてこんな事がありました。

子供に背負われている間、親は山の木の枝を折って、地面に落として行きました。

痩せこけた腕を一生懸命伸ばして、一本一本、木の枝を折り続けました。

山奥に着き、自分を捨てて去って行く我が子に、親は言いました。

「目印に木の枝を折ったから、迷わずに下るんだよ」

親というのはこういうものです。


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