ずっと並んで歩こうよ

公開日: 心温まる話 | 恋愛

手を繋いで夕日を眺めるカップル(フリー写真)

交通事故に遭ってから左半身に少し麻痺が残り、日常生活に困るほどではないけれど、歩くとおかしいのがばれる。

付き合い始めの頃、それを気にして一歩下がるように歩いていた私に気付き、手を繋いで一緒に並んで歩いてくれた。

家に帰ってから訳を聞かれたので、

「○○君に恥ずかしい思いをさせたくなかったから」

と言った。そしたら、

「どうしてそんな考え方をするんだ」

と怒られたので、

「大好きだった○○君と付き合えてるだけで幸せだから。私と付き合うことで、○○君に少しでも嫌な思いをさせたくないから」

と言った。

すると泣きながら私の両手を持って、目の中を覗き込むようにして諭してくれた。

「俺はお前と付き合ってあげてる訳じゃない。俺がお前を好きで一緒に居たい、付き合いたいと思ったから付き合ってるんだ。

お前の体のことなんか、ずっと前から知ってたけど、一緒に歩いて恥ずかしいなんて一回だって思ったことはないよ。お前がそんな風に考えてるのが俺は悲しい。

俺に気を遣わないで。自分のことを恥じないで。もっと自信を持って胸を張って欲しい。

ずっと並んで歩こうよ。お前は俺の自慢の彼女なんだから」

私のことをここまで思ってくれる人には、絶対会えないと思う。

凄く嬉しくて、涙が止まらなかった。

今はどこに行く時も、並んで歩いています。

関連記事

恋人

不妊を告げた私に、彼が渡してくれた指輪

私は現在20歳です。 彼氏と出会ったのは、去年の夏。ナンパがきっかけでした。 彼は見た目からして、いわゆるチャラ男。正直、絶対に好きになんてならないと思っていました。 …

カップル(フリー写真)

人の大切さ

私は生まれつき体が弱く、よく学校で倒れたりしていました。 おまけに骨も脆く、骨折6回、靭帯2回の、体に関して何も良いところがありません。 中学三年生の女子です。 重…

結婚式

結婚式に届いた母のビデオレター

本人から聞いたのか、共通の友人から聞いたのか──その記憶は曖昧だけれど。 「物心がつく前に母親を亡くし、父親に育てられた子だ」と、その話はいつの間にか耳に入っていた。 ※…

母(フリー写真)

母のビデオテープ

俺は小さい頃に母親を亡くしている。 それで中学生の頃は恥ずかしいほどグレた。 親父の留守中、家に金が無いかタンスの中を探していると、一本のビデオテープがあった。 俺は…

繁華街

夢への橋渡し

私はかつて、家の貧しい状況から夜の仕事をしながら大学に通うキャバクラ嬢でした。 私の初めてのお客様は、Yさんという70歳のお爺ちゃん。彼は口下手で、私の話に対して「うん。そうだ…

メリーゴーランド

触れる魔法

私たちの前を、目の見えない夫婦が手を取り合って歩いていました。 彼らはそれぞれ白杖を携えており、ディズニーランドのキャストが優しく案内しながら、彼らと並んで歩いていました。 …

手を繋ぐカップル(フリー写真)

人に優しくあるためには

私は事故に遭い、足が不自由になってしまいました。 車椅子なしでは外出も出来ませんし、トイレも昔のようにスムーズに行うことが出来ません。 そんな私から友人たちも離れて行きまし…

公園

公園での約束

芸人の江頭さんが公園でロケをしている時、隣の病院から来た車椅子の女の子がその様子を眺めていました。ロケが終わると、女の子は「つまらねーの」と小声で呟きました。 江頭さんが聞き返…

牢屋

想像の中の少女と共に

大戦中、ドイツ軍の捕虜収容所に居たフランス兵たちのグループが、捕虜生活の苛立ちから来る仲間内の争いや悲嘆を紛らわすために、共同で「脳内共同ガールフレンド」を創り出した話。 彼ら…

結婚式場(フリー写真)

叔父さんの血

俺には腹違いの兄貴が居る。 俺が小学5年生、兄貴が大学生の時に、両親が子連れ同士の再婚。 一周りも年が離れていたせいか、何だか打ち解けられないままだった。 ※ 大学入試…