展示場での再会

その日、私たち家族は新築の夢を叶えるべく、住宅展示場を訪れていました。両親と妹、そして私。私だけが初めての参加で、新しい家に対する期待で胸が躍っていました。
展示場の家々はどれも豪華で、一緒に回る両親の表情は真剣そのものでした。そんな中、私の名前が突然、背後から呼ばれると、そこには小学校時代の同級生が立っていました。彼は展示場のスタッフとして働いていたのです。
彼との再会は、まるで時間を巻き戻したよう。小学生の頃のあの淡い感情が、すぐに蘇りました。彼はすっかり大人になり、その成長した姿に改めて心惹かれました。特に、変わらないあの笑顔に、心の中で小さな火が灯りました。
その夜、久しぶりに開いた卒業アルバムで彼の昔の姿を見返しました。彼の笑顔は昔も今も変わらず、私を引き寄せる魔法のようでした。
数ヶ月後、ふとしたきっかけで再び街中で遭遇し、お互いの気配を感じ取りました。その日から、メールで何気ない日常を共有し始めました。
約半年後、初めて二人で食事に行きました。その帰り、彼から告白されたのです。「初恋の相手だったんだ」という彼の言葉に、私は涙が止まりませんでした。
思いがけない形で再会し、互いの想いが通じ合ったあの瞬間。展示場での再会が、新たな始まりの場となりました。私は彼に再会できたことに、心から感謝しています。