お兄ちゃんの約束
私は小学1年生の息子と、幼稚園年中の息子を持つ二児の母です。下の息子には障害があり、来年の就学が大きな課題となっています。
今年に入って、上の息子がニコニコしながら言いました。
「来年は弟くんも1年生だね〜。一緒に学校行くんだ!」
下の子は言葉がほとんど話せず、身辺自立も難しいため、一般の小学校に上がるのは非常に困難です。
上の子の期待を裏切るのは痛ましかったですが、いつかは伝えなければならない事実を、その場で話しました。
上の子の表情が一瞬で泣き顔に変わりました。
「登校時には危なくないように手を繋ぐから、休み時間の度に様子を見に行くから、弟が虐められないように守るから…。」と、泣きながら訴えてきました。
私も涙が止まらず、「ごめんね」としか言えませんでした。
すると、上の子は部屋にこもってしまい、「弟くんと一緒に行くんだもん!」と言い残しました。
自分のせいで小学1年生の息子を傷つけたと感じ、深い自己嫌悪に陥りました。
※
数十分後、上の子が部屋から出てきて、真剣な顔で私の前に座りました。
「…本当は弟くんと一緒の学校がいいけど、もし絶対に無理だったら我慢するよ。その代わり、弟くんが楽しく通えて、虐めのない学校を探してね。約束してね」
その言葉に、私は再び涙が溢れました。二人で指切りをしました。
夫が帰宅してこの話をすると、彼も涙を流しました。今まで就学問題については頼りなく、「よく分からないから、任せるよ」と言っていた夫ですが、この日からは一緒に考えてくれるようになりました。
上の息子、本当にありがとう。お母さんは、二人が生きやすく、幸せになれるよう全力を尽くします。