丸坊主の誓い

公開日: 友情 | 心温まる話

教室

中学生の弟がある日、学校帰りに床屋で丸坊主にして帰ってきました。

失恋したのかと尋ねると、小学校からの女の子の友達が久しぶりに学校に戻ってくるからだと教えてくれました。その女の子は病気で長期間入院しており、治療の副作用で髪の毛を全て失っていたそうです。

弟は言いました。「彼女が丸坊主で恥ずかしいって言ってたから、自分も丸坊主になれば彼女が少しは楽になるかなと思ったんだ。野球部の子はもともと丸坊主だけど、野球部じゃない子も丸坊主がいる方がいいかなって。」

翌日、丸坊主で登校した弟は帰宅して驚いたことを報告しました。「同じことを考えた奴がたくさんいたんだ……」と彼は言いました。

なんと、彼のクラスの優等生から問題を起こす子まで、男子生徒全員が丸坊主かそれに近い髪型になっていました。さらに、病気の女の子と仲の良い女子たちもベリーショートにしており、その中の一人は完全に丸坊主になっていたそうです。驚くべきことに、男性の担任教師までもが丸坊主になっていたのです。

教室が丸坊主だらけになる中、病気の女の子は「ありがとう、ありがとう」と言いながら笑いながら泣いたそうです。その日、弟のクラスはまるで示し合わせたかのように一致団結し、その絆が彼らを強く結びつけました。

現在もその女の子は元気にしており、弟は丸坊主が意外と自分に合っていると気に入っているため、そのスタイルを続けています。この心温まる話は、思いやりと勇気がいかにして人々を近づけるかを教えてくれます。

関連記事

ドーナツ

ドーナツと小さな願い

日曜日、私はミスタードーナツで心温まる一幕を目撃しました。 店内には、若いお父さんと彼の3歳くらいの目がくりくりした可愛らしい男の子が席につきました。彼らは私の背後に座り、肩越…

結婚式

父娘の絆

土曜日の太陽が、一人娘の結婚式を温かく照らしていた。 私が彼女たち母娘と出会ったのは、私が25歳の時でした。妻は33歳、娘は13歳というスタートでした。 事実、彼女は私の…

雲海(フリー写真)

命綱を譲った男性

1982年1月13日16時1分頃、ワシントン国際空港を激しい吹雪のなか離陸したエア・フロリダ90便が、離陸直後に氷結したポトマック川に架かる橋梁に激突・墜落した。 水没を免れた…

美しい人生(フリー写真)

お帰りなさい

マニュエル・ガルシアは元気で頼もしく、近所でも働き者と評判の父親だった。 妻に、子供に、仕事に、将来、全て計画通りに運んでいた。 ある日、マニュエル・ガルシアは腹の痛みを訴…

ダイビング(フリー写真)

海中の恋

一年前から行きたかったダイビング体験ツアーに行くことになった。 本当は彼女と行きたかったのだが、春が来る前に別れてしまった。 だから仕方なく、男三人で南国へ向かった。 ※…

ビル

厳しさと愛情

その時の部長は非常に冷たい人だった。いつもインテリ独特のオーラを纏い、社内で孤立しているかのように見えた。 飲み会に誘っても決して参加せず、忘年会でも一人で静かに飲むタイプだっ…

スーパー

小さな勇気、大きな友情

私はセイコーマートで働いて三年目になります。 店にはよく来る小さな常連客がいます。その子は生まれつき目が見えず、白い杖をついて母親と共に週に二、三度店を訪れます。 ある日…

受験(フリー写真)

おばあちゃんの愛情

俺の家庭は自分と母親、それとおばあちゃんの三人で暮らしている。 親父は離婚していない。パチンコなどのギャンブルで借金を作る駄目な親父だった。 母子家庭はやはり経済的に苦し…

手紙

母の願い

毎日の小さな痛みや苦しみがあっても、子供たちが元気でいることが、私にとっての最大の喜びです。子供たちの笑顔や元気な声を聞くと、心から幸せを感じます。子供たちがありがとうと言ってくれる…

海を眺める男の子(フリー写真)

ぽっけ

「このぽっけ、すごいねんで!!(`・ω・´)三3ムフー!!」 そう言って幼稚園の制服のポケットをパンパン叩いていた友達Aの息子。 ポケットにはハンカチ、ティッシュ、お菓子、…