天国のアビーへ

公開日: ペット | 心温まる話 |

犬(フリー写真)

米国の4歳の女の子が愛犬の死を受け、神様に手紙を送ったという話が、米ニュースサイトのニュースバインで紹介された。

このエピソードは、女の子の母親から送られて来たメールを見た記者が『伝えずにはいられない』と思い、紹介したもの。

それによると、この母親の家ではアビーという14歳になるメス犬を飼っていたが、先月、病気で亡くなってしまったそうだ。

ずっと一緒に生活を送っていた4歳の娘メレディスちゃんは涙を流し、どんなに寂しいかを母親に訴えていたという。

そして、アビーへの愛情を忘れられないメレディスちゃんは、母親にこんなことを言った。

「神様に手紙を書いたら、アビーが天国に着いた時、神様はちゃんと『アビーだ』って分かってくれるかな」

母親はメレディスちゃんが話す言葉を書き留め、手紙をしたためた。

その中身は、

「神様、アビーがいなくなり、とても寂しいです。

どうか天国でアビーと遊んであげてください。アビーはボール遊びと泳ぐのが好きです。

神様がアビーを見つけた時、すぐに私の犬だと分かるように写真を送ります」

という内容。

幼いメレディスちゃんの精一杯の愛情が込められた手紙だ。

手紙と写真を入れた封筒には『天国の神様』と宛名が書かれ、ポストに投函された。

手紙が届いたか心配する娘に、母親は「きっと届いたよ」と励ましていたそうだ。

すると10月27日、家の玄関前に金の紙で包まれた「メレディスへ」という小包が置かれていた。

中には「ペットが死んだ時」という本。

そして、そこには『神様からの手紙』が添えられていた。

「親愛なるメレディス。アビーは天国に着きました。

写真が入っていたので、すぐにアビーと分かりましたよ。

もうアビーは病気ではありません。アビーはあなたと居るのが好きでした。

天国では体を必要としないので、写真を入れておくポケットがありません。

だから、あなたがアビーを思い出せるように、この本と一緒に写真を返します。

素晴らしい手紙をありがとう。

それから、手紙を書くのを手伝ってくれたお母さんにお礼を言ってください」

ニュースバインの記事の最後は、

「誰が答えたかは分かっていません。でも、米国郵便公社の配達できない手紙を扱う部署には、美しい魂があります」

と結ばれている。

関連記事

手編みのマフラー(フリー写真)

オカンがしてくれたこと

俺の家は貧乏だった。 運動会の日も授業参観の日さえも、オカンは働きに行っていた。 そんな家だった。 ※ そんな俺の15歳の誕生日。 オカンが顔に微笑みを浮かべて、…

花束

深く、不器用な愛情

私は先天性の障害を持つ足で生まれました。 幼い私が、治療で下半身がギプスに覆われた時のことです。 痛みで泣き叫んだ夜、疲れ果てて眠った私を見て、強がりの父が涙を流していま…

太陽

笑顔の理由

俺が小学生だった頃の話だ。 同じクラスに黒田平一(仮名)、通称「クロベー」というやつがいた。 クロベーの家は母子家庭で、母親と弟との三人暮らしだった。 親戚の家の離…

卒業証書(フリー写真)

忘れられない生徒

高校教師です。 私が教えていた生徒に問題児の女の子が居ました。 彼女は成績も悪くなく、資格取得にも一生懸命なのですが、その原動力は強過ぎる学歴コンプレックスらしく精神も病ん…

夕方の教室(フリー背景素材)

校長先生の名授業

私が考える教育の究極の目的は『親に感謝、親を大切にする』です。 高校生の多くは、今まで自分一人の力で生きて来たように思っている。 親が苦労して育ててくれたことを知らないんで…

愛猫

猫のゆめと過ごした日々

私が高校生の冬のことです。 家で飼っていた猫が、赤ちゃんを産みました。 しかも、よりによって私の布団の上。電気毛布のぬくもりに包まれて、5匹の小さな命が生まれました。 …

満員電車(フリー写真)

子供を大切に

父が高校生の時に、僕の祖父が死んだ。 事故だった。 あまりの唐突な出来事で我が家は途方に暮れたらしい。 そして父は高校を卒業し、地元で有名な畜産会社に入社した。 …

カレー

静かなテーブルの上で

ファミレスで仕事をしていたときのことです。 隣のテーブルに、三人連れの親子が座りました。 若作りした茶髪のお母さん、中学一年生くらいの男の子、そして小学校低学年と思われる…

犬

隅っこの守護者

家で可愛がっていた犬が亡くなって、もう何年経っただろう。当時はまだ子育て中で、二人の小さい子供たちと忙しい日々を送っていました。ある日、夫が「番犬にもなるし子供たちにもいい」と突然犬…

診療所(フリー写真)

今は亡き僕の先生

僕は幼い頃から病弱で、いつも何かしらの病気にか罹っていた。 例えば、喘息、熱、インフルエンザなど。 そのような時はいつも診療所の先生に診ていただいていた。 その先生…