幸せな猫の一生

公開日: ペット | 心温まる話 |

三毛猫(フリー写真)

僕はご主人様に拾われました。

毎日、おいしいご飯をくれました。

外で汚れたら、お風呂で洗ってくれました。

いつもいっぱい遊んでくれました。

たまにイタズラして怒られました。

けれども、すぐに頭を撫でて許してくれました。

ご主人様が泣いて帰った時、僕が慰めました。

そしたら、いっぱい僕を抱きしめて、いっぱい泣いていました。

いつも、ご主人様の布団で寝かせてもらいました。

いつも、ご主人様の温かさが伝わって来ました。

ある日、僕の体が痛くなって、ご主人様は夜中に走って病院へ連れて行ってくれました。

病院で先生のお話を聞いて、ご主人様は泣いていました。

家に帰っても、ご主人様は泣いていました。

だから僕はまた、ご主人様を慰めました。

そしたら、ご主人様は僕を抱き締めて、

「ごめんね、ごめんね」

と、いっぱい泣いていました。

数日後…僕は体が動かなくなりました。

ご主人様は僕を抱き締めて、また泣いていました。

いつもより、いっぱい僕の名前を呼んでくれました。

ご主人様、何で泣いているの?

また僕が慰めました。

僕は…少し眠くなりました…。

ご主人様がもっと強く抱き締めてくれました。

ご主人様の温かさがいっぱい伝わって来ました。

ご主人様…僕が起きたら、またいっぱい遊んでください。

僕はすごく幸せです。おやすみなさい。

僕は…眠りに就きました…。

関連記事

味噌焼きおにぎり(フリー写真)

祖母の味噌焼きおにぎり

僕には祖母がいる。 祖父は僕が生まれる前に亡くなった。 だから、祖母は大変だったらしい。 祖父は保険に入っておらず、残されたのは煙草畑と田んぼと仔牛くらいだった。 …

結婚式

父娘の絆

土曜日の太陽が、一人娘の結婚式を温かく照らしていた。 私が彼女たち母娘と出会ったのは、私が25歳の時でした。妻は33歳、娘は13歳というスタートでした。 事実、彼女は私の…

放課後の教室

恩師の愛情

私は高校2年生の時にうつ病になった。 切っ掛けは、2年半付き合った彼氏に振られたことと、友達から仲間はずれにされるようになったことだと思う。 毎日、泣いていた。 プ…

猫の親子(フリー写真)

親猫

家の裏に同じ猫が、よく通っていた。 痩せていたので、残飯を少し置いてあげた。 私自身、あまり動物が好きではない。 以前は子供のためにウサギを家で飼ったが、そのせいで…

電車の車内(フリー写真)

思いやりの紙片

学生時代から長く付き合い、結婚を考えていた彼と別れました。 彼は一年も前から、職場の年上の女性と付き合っていたのです。 その女性から結婚を迫られ、もう既に彼女のご両親とは…

診療所(フリー写真)

今は亡き僕の先生

僕は幼い頃から病弱で、いつも何かしらの病気にか罹っていた。 例えば、喘息、熱、インフルエンザなど。 そのような時はいつも診療所の先生に診ていただいていた。 その先生…

ピンクのチューリップ(フリー写真)

親指姫

6年程前の今頃は花屋に勤めていて、毎日エプロンを着け店先に立っていた。 ある日、小学校1年生ぐらいの女の子が、一人で花を買いに来た。 淡いベージュのセーターに、ピンクのチェ…

黒猫(フリー写真)

黒猫の赤ちゃん

小学校の時、裏門の所に小さな黒猫の赤ちゃんが捨てられていた。 両目とも膿でくっついていて、見えていない様子。 どうしても無視できなくて家へ持って帰ったら、やはり飼っては駄目…

お年寄りの手(フリー写真)

おばあちゃんが注いだ愛情

こどもの発達がちょっとゆっくりで、保健センターに通っている。 そこの母子教室の最中、おばあちゃんと男の子が二人、迷い込んで来た。 「すみません、里親会の集まりの会場はここで…

冬と春の境界(フリー写真)

人間としての愛

1月の朝がとても寒い時に、必ず思い出す少年がいます。 当時、私は狭心症で休職し、九州の実家にて静養していた時でした。 毎朝、愛犬のテツと散歩していた時に、いつも遅刻して実家…