友達の大切さ
幼稚園の頃から仲が良かった親友が居た。
俺たちはいつも4人で遊んでいた。
どんな時も、一緒に遊んでいた。
彼女についての相談をしたり馬鹿言ったり、喧嘩したり。
そんな事をやり合っているうちに、俺たちの絆は更に深まって行った。
※
ある日、いつものメンバーで遊んでいる時、ゆうき(仮名)の具合が悪そうだった。
そいつは元気だけが取り柄だったのに、その日だけは具合が悪かった。
日が経つ毎にゆうきの具合は悪くなって行った。
俺たちは心配になって体調を聞いたが、
「大丈夫。何てことないよ」
と言っていた。
※
数日後、ゆうきは学校を休むようになって、病院で入院していることを親に聞いた。
親からゆうきが難病に掛かっている事、そして治らない事、もうすぐ天国に行くかもしれない事。
全部聞いた。俺たちは言葉が出なかった…。
俺たちはいつもより1人少ない、3人で御見舞いに行った。
プレゼントを持って。会って元気づけてやり、また一緒に遊ぶんだと俺は思った。
病室に入ってゆうきを見ると、全身チューブだらけで、ちゃんと顔を見る事が出来なかった。
俺たちが「絶対良くなるよ」と言ったら、
ゆうきに「まだ死にたくない」と言われた。
面会時間が短かったから、プレゼントを渡して病室から出た。
病室から出た後、俺たちの涙は止まらなかった。
まだ死んでいる訳じゃないのに、凄く悔しかった。
何で俺たちの親友がこんなに苦しまなきゃいけないんだと思った。
俺たちは何も出来なくて、ただ涙を流す事しか出来なかった。
※
そして俺たちは毎日のように御見舞いに行った。
俺は親から貰っている少ないお小遣いを貯め、ゆうきの為にプレゼントを買って病院に行った。
いつもの病室だから迷う事なく真っ直ぐ進み、病室に入るとゆうきの姿は無かった。
部屋の中の状態はいつものままなのに、ゆうきだけが居なかった。
頭の中が真っ白になり、何が起きたのか分からなかった。
部屋の前でプレゼントを持って立っていると、後ろからゆうきの母親が来て俺に言った
「本当についさっき息が止まって…来てくれてありがとう」
と、涙を我慢しながら俺に言った。
プレゼントはゆうきの母親に渡し、俺は病院を出た。
※
その後、俺たちは3人だけで遊ぶようになった。
俺たちの仲間が居なくなって初めて気が付いた。
友達の大切さを。
今まで本当にありがとう。
絶対忘れないよ。