手話の先生

公開日: 友情 | 心温まる話

手話(フリーイラスト素材)

小学生の頃、難聴の子がクラスに居た。

補聴器を付ければ普通学級でも問題無い程度の難聴の子だった。

彼女はめちゃくちゃ内気で、イジメられこそしていなかったけど、友達は居なかった。

ある時、学校の行事でうちのクラスは歌に合わせたダンスをする事になった。

みんなで『あーでもない、こーでもない』と振り付けを模索していた時に、誰かが

「そういえば○○ちゃん(難聴の子)って手話出来るじゃん。それ参考にしたら?」

と言い出し、みんなで

「手話見せて!」

と○○ちゃんの所に集まって聞いた。

彼女は大分戸惑っていたが、色々な手話を披露してくれて、

「すげー!」

「色々な動きがあるんだねー」

と、みんな関心。

その後、行事では手話を動きに取り入れたダンスで先生達に褒められ、みんな手話自体に興味を持ち、学校で手話クラブが出来るまでの、ちょっとしたブームになった。

『(手話の)先生』というあだ名が付いた○○ちゃんは、よく笑うようになり、行事前と比較して別人のように明るくなった。

卒業式の時、証書を貰う為に壇上に上がった○○ちゃんは、急に立ち止まって、泣きながら、

「みんなありがとう。みんなのおかげでとても楽しかった。私は違う中学に行くけど、一生忘れません」

と、たどたどしい言葉と手話で、みんなに向かって言ってくれた。

もう、クラスの女子は泣くわ、先生達は泣くわ、保護者は泣くわ、校長まで号泣するわ。

ずっと年賀状の遣り取りを続けていたのだが、この間彼女から結婚式の招待状が届いた。

それで思い出した話。

ベンチに座る老夫婦(フリー写真)

最初で最後のラブレター

脳梗塞で入退院を繰り返していた祖父。 私たち家族は以前からの本人の希望通り、医師から余命があと僅かであることを知らされていたが、祖父には告知しないでいた。 「元気になって、…

カーネーション(フリー写真)

本当のお母さん

俺が6歳の頃、親父が再婚して義母がやって来た。 ある日、親父が 「今日からこの人がお前のお母さんだ」 と言って連れて来たのだ。 新しい母親は、俺を本当の子供のよ…

浜辺の母娘(フリー写真)

天国へ持って行きたい記憶

『ワンダフルライフ』という映画を知っていますか? 自分が死んだ時にたった一つ、天国に持って行ける記憶を選ぶ、という内容の映画です。 高校生の頃にこの映画を観て、何の気無しに…

クリスマスプレゼント(フリー写真)

サンタさんから頼まれた

※編注: このお話は、東日本大震災発生から5日後の3月16日に2ちゃんねるに書き込まれました。 ※ 当方、宮城県民。 朝からスーパーに並んでいたのだが、私の前に母親と泣きべそ…

サッカーボール(フリー写真)

先輩の声

高校の頃はあまり気の合う仲間が居なかった。 俺が勝手に避けていただけなのかもしれないが、友達も殆ど居らず、居場所などどこにも無かった。 そんな人間でも大学には入れるんだね。…

バラの花束(フリー写真)

大きなバラの花束

接客を何年か担当してくれていた優秀な女性スタッフが、その店を辞めることになった。 店長は、一生懸命仕事をしてくれた彼女に何かお礼がしたかった。 いよいよ彼女の最後の出勤の日…

吹雪(フリー写真)

ばあちゃんの手紙

俺の母方のばあちゃんは、いつもニコニコしていて、かわいかった。 生んだ子供は四姉妹。 娘が全員嫁いだ後、長いことじいちゃんと二人暮らしだった。 そして、じいちゃんは2…

教室(フリー写真)

お母さんの匂い

その小学校の先生が5年生の担任になった時、一人服装が不潔でだらしなく、どうしても好きになれない少年が居た。 先生は中間記録に少年の悪いところばかりを記入するようになっていた。 …

日記帳(フリー写真)

天国の恩人

私はキャバクラ嬢でした。 家がとても貧乏で、夜に働きながら大学へ行きました。 そんな私の初めてのお客様。 Yさん、70歳のお爺ちゃんです。 彼はとても口下手で、…

薔薇の花(フリー写真)

せかいでいちばんのしあわせ

私が幼稚園の時に亡くなったお母さん。 当時、ひらがなを覚えたての私が読めるように、ひらがなだけで書かれた手紙を遺してくれた。 ※ みいちゃんが おかあさんのおなかにやってきて…