再会の約束

公開日: ちょっと切ない話 | 恋愛

夕日

私の心に刻まれた恋の物語をお話しします。

大学生の日々、初めて彼氏ができました。

私たちは同じキャンパス、同じサークルで出会った運命の人でした。

お互いに気持ちを深め、幸せな日々を過ごしていました。

しかし、大学4年生ともなると、二人の関係には様々な試練が待っていました。

不安定な就職活動、将来の不透明さ…その中で二人の間には疲れと摩擦が生まれました。

運命のいたずらか、私たちは異なる道を選ぶことになりました。

彼は遠く、私は近く。そう別れることとなった私たちは約束を交わしました。

「3年後、この場所で再び出会おう」

時間は過ぎ、私は仕事に情熱を傾け、再会の日を心待ちにしました。

そして、運命の日がやってきました。

心臓の鼓動が速くなる中、待ち合わせた駅に足を運びました。

しかし、時計の針は彼の姿を迎えることなく、進んでいきました。

待ち続ける時間は、私の心をさらに重くさせました。

淋しさ、失望、不安…それでも私は彼を信じて待ち続けました。

でも、真っ暗になる夜空の下、彼は現れませんでした。

彼の選んだ道、私の選んだ道。それぞれが異なる未来を歩むことになったのか、または彼が何かの理由で来られなかったのか。

答えはわからないまま、私は新しい日々へと進むことを決意しました。

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