涙の中の絆

廊下

僕は小さい頃、両親に捨てられ、孤独な日々を過ごしていた。

「施設の子」「いつも同じ服を着た乞食」という言葉が常に僕を追いかけた。

同級生と遊びたくても、その家の親に拒まれることが日常だった。

僕は自分が汚い服を着ていても、人を傷つけたり、盗んだりはしていない。

両親がいないのは、僕のせいではない。

でも、僕を理解してくれる人はいなかった。

独りでいることが、一番傷つかない方法だと思っていた。

高校に入学しても、僕の机には酷い言葉が書かれていた。

立ち尽くす僕の前から、机がなくなった。

クラスの人気者、Yが僕の机を持ち上げ、廊下に出て行った。

技術室へ行くと、彼は紙やすりで落書きを消し始めた。

「つまんない事に負けんなよ」と彼は言い、黙々と作業を続けた。

「放課後にもう一回ここでニス塗ろうぜ。そしたら元通りだ」と言って彼は笑った。

その笑顔に、僕は感動して泣いた。

Yは照れ笑いを浮かべながら、僕を励ましていた。

Yは今、幸せな人生を歩んでいる。

彼がいなければ、僕は今の自分を見つけることはできなかっただろう。

直接言えないけれど、彼の幸せを心から願っている。

彼は僕にとってかけがえのない親友だ。

彼の優しさに対する感謝は、言葉では表現できない。

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