この命を大切に生きよう

公開日: ちょっと切ない話

太陽と手のひら(フリー写真)

あれは何年も前、僕が年長さんの時でした。

僕は生まれた時から重度のアレルギーがあり、何回も生死の境を彷徨って来ました。

アレルギーの発作の事をアナフィラキシーショックと言うのですが、それを年長の時に体験しました。

その時の事について書きます。

幼稚園の年長さんの頃、お腹が空いていた僕は、テーブルの上に置かれていた卵入り炒飯を食べてしまいました。

すると十分後くらいに息苦しくなって来て、呼吸困難になりました。

そしてあれよあれよという間に、僕は意識を失ってしまったのです。

その時の事は今でもはっきりと憶えています。

本当に死なせて欲しい、そう思うほど苦しかったです。

でも、病院のベッドの上で聞いた話によると、あれから三日が経っていた事、その間お医者さんが懸命に治療をして下さっていた事を聞きました。

それを聞いた時、

「みんなに助けてもらった、この命を大切に生きよう」

と幼いながら感じました。

それから虐めにも遭いましたが、この事を思い出して何とか乗り越えることができました。

最近、自ら命を絶つ方が増えています。

僕はいつも悲しい気持ちで見ています。

もしあなたが命を絶とうとしているなら、伝えたい言葉があります。

あなたの命は、一人だけのものではなくて、みんなのもの。

中学生の僕が書いたら生意気かもしれませんが。


note 開設のお知らせ

いつも当ブログをご愛読いただき、誠にありがとうございます。
今後もこちらでの更新は続けてまいりますが、note では、より頻度高く記事を投稿しております。

同じテーマの別エピソードも掲載しておりますので、併せてご覧いただけますと幸いです。

泣ける話・感動の実話まとめ - ラクリマ | note

最新情報は ラクリマ公式 X アカウント にて随時発信しております。ぜひフォローいただけますと幸いです。

関連記事

浅草の三社祭の提灯(フリー写真)

母のガイドブック

東京で単身赴任をしていた時、連休になるといつも嫁が来て、家事などをしてくれていた。 母にも、偶には東京に来いよと言っていたのだけど、人混みが苦手だと言い、決して来なかった。 …

梅干し(フリー写真)

憧れた世界

飲んだくれの親父のせいで貧乏育ち。だから小さい頃は遠足の弁当が嫌いだった。 麦の混ざったご飯に梅干しと佃煮。 恥ずかしいから、 「見て~!俺オッサン弁当!父ちゃんが『…

オフィスの写真

もう一度、あの笑顔に会いたくて

私の前の上司、課長は無口で無表情な人でした。 雑談には加わらず、お酒も飲まない。人付き合いを避ける、どこまでも堅物な方でした。 そのぶん、誠実で公平。どんな場面でも冷静に…

月明かり(フリー写真)

お月さんの下で

昨日、彼女の家の犬が死んだ。 彼女の家は昔、彼女の兄貴が高校生という若さで自殺してから、両親も彼女もうつ病になって酷い状態だったらしい。 そんな時に引き取って来た犬だったそ…

母の手を握る赤子(フリー写真)

母の想い

彼は幼い頃に母親を亡くし、父親と祖母と暮らしていました。 17歳の時、急性骨髄性白血病にかかってしまい、本人すら死を覚悟していましたが、骨髄移植のドナーが運良く見つかり死の淵から…

女性(フリー写真)

見守ってる

昨日、恋人が死んだ。 病気で苦しんだ末、死んだ。 通夜が終わり、病院に置いて来た荷物を改めて取りに行ったら、その荷物の中に俺宛の手紙が入っていた。 そこには、 …

女の子の後ろ姿(フリー写真)

温かい家庭

兄家族が俺達の家にやって来て、長女を押し付け引っ越して行った。 兄も兄嫁も甥っ子だけが生き甲斐みたいなところがあったんだよね。 甥っ子は本当に頭が良かったんだ。 勉強…

入学式とランドセル(フリー写真)

お兄ちゃんの思いやり

小学1年生の息子と、幼稚園の年中の息子、二児の母です。 下の子には障害があり、今年は就学問題を控えています。 今年に入ってすぐ、上の子が 「来年は弟くんも1年生だね~…

彼女(フリー写真)

忘れられない暗証番号

元号が昭和から平成に変わろうとしていた頃の話です。 当時、私は二十代半ば。彼女も同じ年でした。 いよいよ付き合おうかという時期に、彼女から私に泣きながらの電話…。 「…

桜

再会と再出発

3年前、私は桜が開花し始める頃に自殺を考えていました。失恋、借金、会社の倒産と様々な問題が重なり、絶望していたのです。両親とも絶縁状態で、孤独を感じていました。 最後に何か美味…