彼女のために出来ること
まだ一年程前の事です。 彼女がこの世を去りました。病死です。 その彼女と出会ったのは7年前でした。彼女はその頃、大学1年生でした。 彼女には持病があり、 「あと…
思い切り泣きたいとき、この場所へ来てください。大切な人を失ったこと、届かなかった気持ち、間に合わなかった言葉——悲しい話には、悲しいからこそ伝わる本当のことが詰まっています。号泣できる実話風短編を集めました。
まだ一年程前の事です。 彼女がこの世を去りました。病死です。 その彼女と出会ったのは7年前でした。彼女はその頃、大学1年生でした。 彼女には持病があり、 「あと…
現在から20年以上も前、まだオンボロアパートで一人暮らしをしていた時の事だ。 安月給で金は無かったが、無いは無いなりに何とか食っては行けた。 隣の部屋には50代…
僕の友達が事故で亡くなった。 本当に突然のことで何が何だか解らず、涙など出ませんでした。 葬式にはクラスのみんなや友達が沢山来ていました。 友達は遺影の中で笑っ…
これは私が小学三年生の頃の話です。 両親が離婚して母子家庭となり、一人で居るのが怖かった私は、しょっちゅう児童館へ行っていました。 学童保育という手もあったので…
先日、小学5年生の娘が何か書いているのを見つけた。 それは妻への手紙だったよ。 「ちょっと貸して」 と言って内容を見た。 まだまだ汚い字だったけど、妻への想いが…
潮の匂いのする小さな港町で育った幼なじみの彼に、私はずっと片想いをしていました。旅立ちの前夜に告白するはずだった日、彼は事故で逝きました。三年間どうしても開けな…
古いピアノの調律をきっかけに結ばれた二人。けれど彼女は、若くして記憶を失っていきます。渡せなかったアクアマリンの指輪を手に、彼は遠い海辺の町へ彼女を訪ねました。…
付き合って三年目の記念日、些細な喧嘩で家を出た恋人が、わずか十分後に近所の交差点で逝きました。遺された缶コーヒーとカーディガンが静かに語った、不器用なあの人の深…
優しい恋人を世間の目で測り、つらく当たり続けてしまった俺の泣ける話です。彼女が割った父の形見の帆船模型と、事故のあとに見つけた一冊の日記が、すべてを変えました。…
閉園を控えた小さな動物園を訪ねた私が知った、象係だった祖父の戦争。餌を絶たれてなお人の拍手を信じ、万歳の芸を続けた三頭の象の最期。遺された飼育日誌と一つの鈴が、…
五歳の夏、海辺の小さな町で自転車屋を営む父が、ひとりで大切に育ててきた娘の七海が、何の前ぶれもなく逝きました。父が冬じゅうかけて組み直した赤い自転車、四百二十円…
城下町の時計店に遺された子供の腕時計をめぐる、泣ける話の短編です。疎遠なまま独りで亡くなった父が、二十年以上も前に私が忘れた時計を、外しかけの歯車のまま直そうと…