色鉛筆のアルバム
うちは貧乏な母子家庭だった。 俺が生まれた頃、家にはカメラなんて無かった。 その代わりに母さんは――写真のかわりに、色鉛筆で俺の絵を描き続け、アルバムにして残し…
心が温かくなる感動する話・実話を集めました。泣ける話、じんわり胸に響く短編エピソード、人の優しさや絆が伝わる物語をお届けします。読むと自然と涙があふれる、感動実話まとめ。
うちは貧乏な母子家庭だった。 俺が生まれた頃、家にはカメラなんて無かった。 その代わりに母さんは――写真のかわりに、色鉛筆で俺の絵を描き続け、アルバムにして残し…
母が家を出ていったのは、小学一年の秋のことだった。 男を作って去っていった母の背中を、幼い俺はただ呆然と見送るしかなかった。 その日から、父の作る不器用な料理で…
母が24歳、父が26歳の時、僕は6歳で両親の離婚を経験した。 母は若くして妊娠し、生まれた僕は望まれた存在ではなかった。 母には別の男が、父には別の女がいて、二…
実家の猫は、赤ん坊の頃に空き地で見つけられた。 その小さな体は目も潰れて放置され、声を限りに泣き叫んでいた。 あまりに悲惨な姿に、最初は正直、触ることすら躊躇っ…
中学2年生の夏から、私は病気で一年間も入院しました。 退院して間もなく高校受験があり、高校生になると下宿生活が始まりました。 高校を卒業して就職し、田舎を飛び出…
第二次大戦が終わり、私は日本の兵士たちの帰国事務に携わっていました。 毎日、留守家族の人々が次々と訪ねてきます。私は机越しに、「ご主人は亡くなられました」「息子…
旦那の上司であるA課長の話です。亡くなったお子さんにまつわる、深い悲しみと奇跡の物語です。 ※ A課長は5歳になるお子さんを病気で失いました。幼稚園でいえば年中…
妻に先立たれ、初めて一人で乳児を育て始めました。 最初は「育児なんて誰でもやってるんだから大丈夫だろう」と軽く考えていました。 でも、俺は間違っていました。 赤…
俺がケーキ屋で支払いをしている時だった。 自動ドアが開き、まだ幼稚園児くらいの女の子が一人で入ってきた。 場違いなほど小さなその姿に、店内の空気が少し張りつめた…
一昨年の夏。私は5歳の息子を連れ、車で1時間ほどの自然博物館で開かれていた昆虫展へ向かっていました。 ムシキングの影響もあって、息子はこの日を心待ちにしていまし…
そんな日々の中、息子が一歳の誕生日を迎えた。 いつも通り保育園に迎えに行き、帰宅すると、ポストに二通の可愛らしい封筒が入っていた。宛名は、息子と私。 差出人の名…
ある日、ディズニーランドのインフォメーションに、一人の男性が暗い表情でやって来ました。 「あの……落とし物をしてしまって」 キャストが顔を上げて尋ねます。 「ど…
1. 私の一生は、せいぜい10年から15年ほどしかありません。 その短い生涯の中で、ほんの少しでもあなたと離れることは、とても寂しく、胸が張り裂けそうになります…
うちの父は、何だかちょっと変わった人だ。 家事はまったくしないし、気に入らないことがあると、黙り込んで口をきかなくなる。 まるで子供のように、わがままで頑固だ。…
五年前の冬の朝。 出動指令の無線が車内に響き、私たち消防隊は病院火災の現場へ走った。 空気は乾ききり、到着したときには二階の窓から黄炎が噴き上がっていた。 ※ …