カテゴリー: 母

お母さんのことを考えると、なぜか涙が出てくる——それだけ深く、それだけ大きな存在です。母の愛情、母の苦労、母への届かなかった「ありがとう」。お母さんにまつわる泣ける話・感動する話をまとめました。

鳴らないままだったポケベル

諫早から松戸まで訪ねてきた母は、三日のあいだ一度も私のポケベルを鳴らしませんでした。使い方を知らないのだと、私は十五年ものあいだ思い込んでいたのです。冷蔵庫に残…

母子手帳

今年の6月に母が亡くなった。火事だった。 同居していた父親は外出していて、弟は無事に逃げる事が出来たのだけど、母親は煙に巻かれて既に駄目だった。 自分は違う地方…

母ちゃんとラーメン

今日、俺は珍しく母ちゃんを外食に誘った。 行き先は、昔からよく行く馴染みのラーメン屋だった。 俺は味噌ラーメンの大盛り、母ちゃんは味噌ラーメンの並盛りを頼んだ。…

両親は大切に

人前では殆ど泣いたことのない俺が、生涯で一番泣いたのはお袋が死んだ時だった。 お袋は元々ちょっと頭が弱くて、よく家族を困らせていた。 思春期の俺は、普通とは違う…

もしもし、お母さん

私が結婚を母に報告した時、ありったけの祝福の言葉を言い終えた母は、私の手を握り真っ直ぐ目を見つめてこう言った。 「私にとって、みおは本当の娘だからね」 ドキリと…

母の唯一のワガママ

「沖縄に行かない?」 いきなり母が電話で聞いて来た。 当時は大学三年生で、就活で大変な時期だったため、 「忙しいから駄目」 と言ったのだが、母はなかなか諦めない…

野球、ごめんね

幼い頃に父が亡くなり、母は再婚もせずに俺を育ててくれた。 学も無く技術も無かった母は、個人商店の手伝いのような仕事で生計を立てていた。 それでも当時住んでいた土…

母の炊き込みご飯

徳島の藍師の家に生まれた私は、母が誕生日に必ず作るかきまぜを手抜きだと思っていました。母を見送ったあと、古い飯台の底に刻まれた二百八十七本の線が、四十年の沈黙の…

ママの棺

一歳半で母を見送った友人は、母の顔も声も覚えていません。それでも、眠る子の背中を二回叩いてひとつ撫でる手つきだけが、二十一年後の今も彼女の手に残っていました。金…

天国へ持って行きたい記憶

タオル工場で三十年、白い生地の傷を探し続けた母。傷を見つけるたびに結んでいた赤い一本の糸には、娘が二十四年ものあいだ気づかなかった意味がありました。母がためらわ…