君の笑顔のために
高校二年生の夏、僕は恋をした。 好きで、好きで、堪らなかった。 その相手を好きになったきっかけは、僕がクラスでひどいいじめに遭い、生きる意味さえ分からなくなって…
続きを読む:君の笑顔のために高校二年生の夏、僕は恋をした。 好きで、好きで、堪らなかった。 その相手を好きになったきっかけは、僕がクラスでひどいいじめに遭い、生きる意味さえ分からなくなって…
続きを読む:君の笑顔のために十年前、彼女が亡くなった。 当時、俺たちは高校三年生。同じ高校に通い、同じ野球部に所属していた。 俺たちは近所に住む幼馴染だった。俺は、野球好きの両親に育てられ…
続きを読む:甲子園に連れていく約束小さい頃、よく父に連れられて街中を走ったものだった。 生まれ育った町は田舎で、交通量も少なく、自然が多く残る静かな場所だった。晴れた日には特に、空気が澄んでいて…
続きを読む:父からのタスキ五年前に、我が家には一匹の茶トラ猫がいました。 当時、姉が家出同然に家を飛び出し、家の中の空気はひどく重く、どこか寂しげなものでした。 私はというと、そんな雰囲…
続きを読む:背中のぬくもり一昨年の今日、僕は告白をしました。それは、生まれて初めての告白でした。 彼女は、全盲でした。 その事実を知ったのは、彼女がピアノを弾いているのを聴いて、深く感動…
続きを読む:光の中での再会素子、素子は私の顔をよく見て、にこにこと笑ひましたよ。 私の腕の中で安心したやうに眠りもしたし、また一緒にお風呂にも入りました。 お前が大きくなって、私のことが…
続きを読む:愛しき娘へ残す手紙岡山・児島の縫製工場で裁断をしていた二十六歳の従兄弟と、毎日六時半に病室へ通った検品係の千夏さん。手編みの藍色の帽子は、ひと月ごとに新しくなりました。十五年後、…
続きを読む:九回ほどいた藍色の帽子待ち合わせ場所で彼女を待っていると、ふと目に留まったのは、大学生くらいの若いカップルだった。 男の子が女の子の正面に立ち、何かを必死に伝えるように、両手を忙しな…
続きを読む:君のための手話金持ちで、顔もそこそこ。 何より、明るくてツッコミが抜群に上手い男だった。ボケた方が「俺、笑いの才能あるんじゃね」と勘違いしてしまうくらい、絶妙なツッコミを入れ…
続きを読む:最後の仲直り小学校の帰り道、裏門の近くで小さな黒猫の赤ちゃんを見つけた。 目は膿でふさがれ、ほとんど開いていない。 痩せ細った体を震わせながら、かすれた声で鳴いていた。 見…
続きを読む:小さな黒猫の命いつからだろうか、自分でも理由が分からないほど、仕事への意欲を失ってしまっていた。 会社を休み始め、気付けば数日が経っていた。 そんなある日の夜、玄関のチャイム…
続きを読む:強面上司の不器用な優しさ浜松の佐鳴湖のそばで飼われていた柴犬のきなこ。友人の彩は中学二年の秋から、真夏でも右の袖だけを下ろすようになりました。十年後、きなこが亡くなった晩に見せてもらっ…
続きを読む:右の袖だけを十年下ろしていた先日、俺の一人娘が嫁に行った。 目に入れても痛くない――。 そう自信を持って断言できるほど愛してきた、一人娘だった。 ※ 結婚式で娘は俺の前に立ち、はにかみなが…
続きを読む:大好きな娘へ昨夜、俺は嫁とケンカをした。 きっかけは本当に些細なことだった。 小学2年生になる娘の○美が、突然バイオリンを習いたいと言い出したのだ。 嫁は嬉しそうに言った。…
続きを読む:世界一やさしい娘私が看護学生だった頃の話です。 ある休日、友達と遊びに行った帰り道で、突然、目の前で交通事故が起こりました。 ひとりの小さな女の子が車に撥ねられ、道路に倒れてい…
続きを読む:天使になった少女ラクリマを応援する
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