道路に架かった虹

公開日: 心温まる話

虹(フリー写真)

昨日、犬の散歩をしていた時の事。

20代後半くらいの男性が二人、作業着でマンホールを調べていた。

少し立ち止まって見ていたら、前から女子中学生が泣きながら歩いて来た。

男性二人がそれに気付いて、

A「大丈夫? 何かあったの?」

B「ありゃ、泣いてる女の子か。苦手なパターンだ」

と声を掛けたのだけど、女の子は

「何でもないです。大丈夫です」

と首を振るだけ。

A「まあ、見知らぬ男に泣いてる理由聞かれても困るよね」

B「俺らみたいな土方じゃ尚更だろうな。でも知らんぷりも後味悪いしな」

ナンパな気持ちではなく本当で心配している様子。

女の子もそれが解るのか、

「本当に大丈夫です。心配してくれてありがとう」

と礼儀正しい。

B「んじゃ、折角だから良いもの見せてやるよ。A、携帯持ってて」

と、Aに携帯を持たせて、女の子とAにマンホールから離れるように言うと、

「ブッシャーー!!」

とマンホールから凄い勢いで水柱が上がった。

2メートルくらいの高さの水柱に、女の子はびっくり。俺と犬は興奮。

A「ほらほら虹だよ~。綺麗だよ~」

見てみると見事な虹。水が出ていたのは5秒くらいだったけど、女の子はすっかり泣き止んでいた。

A「泣き止んだぜ、俺ら大勝利(笑)」

B「もうびっちょびちょ。これバレたら水泥棒になっちゃうから黙っててな(笑)」

それを聞いて女の子が笑った。

二人の男性も嬉しそうだった。

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